驚異的なスペックで注目されていたアルティメットシリーズ第三弾「スピードテール」
2億5000万円のマクラーレン・スピードテールが遂に日本初公開となった。美しい流線型のフォルムと、驚異的なスペックで公開時から大注目されていたアルティメットシリーズ第3のモデルだ。
マクラーレン歴代最高速を誇る時速403kmを記録
そのモデル名に示されたとおり、その速さは圧倒的で時速0-300km加速ではP1の16.5秒を大幅に上回る12.8秒を達成するうえに、最高速はマクラーレン歴代最高速度モデルのマクラーレンF1の時速391kmを超える時速403kmを誇る。
それを実現するべく、骨格には独自のカーボン・ファイバー製「マクラーレン モノゲージ」構造を使い、そこにアルミニウム製のアクティブ・サスペンションや、カーボン・セラミック製のブレーキなどを組み合わせて徹底的な軽量化を施したうえで、全長5137mmのボディ全体をしずく(ティアドロップ)型にして、空気を乱すフロントホイルには特別な空力加工処理を施している。また究極のスピードに対応するため、専用タイヤ「P-ZERO」がテクノロジー・パートナーであるピレリによって開発された。
ちなみに最高速403kmは、ヴェロシティ・モード(最高速モード)という運転席上部のルーフにあるエンジンスタートボタン脇のヴェロシティモードボタンで始動。動力源のハイブリッドパワーが最適化され、車高が35mm下がり、空気抵抗を極限までそぎ落とす。その状態での安定性を確保するべく、ボディの一部カーボンが段差なくせり上がり、リアウィングを成す構造にもマクラーレンのカーボン技術力の高さを見ることができる。
さらにドア・ミラーの代わりに、2つの高解像度デジタル・カメラが目立たないように取り付けられている。従来型の固定式ドア・ミラーは、驚くほどの量の乱気流を発生させるのに対し、今回搭載されているカメラは、側面がとても小さいため、エアフローへの影響が最小限かつ、後方の視界もはるかに広がる。カメラの映像は、ドライバー前方にあるインストルメント・パネルの両サイドに配置された2つのスクリーンに表示される。
最新テクノロジーが集結し、ボタン類のほぼ全てを廃した近未来的な内装
肝心のドライバー・シートは、ラグジュアリーなコックピットの中央に位置し、そのやや後方に2つのパッセンジャー・シートが配置されている。信じられないような空間感覚は後方へ続き、リアのクォーターウィンドウは、シートの後ろからリアアクスルとほとんど同じ位置まで伸びている。コックピットには驚くほどの光が射し込むが、ドア上部のガラス部分およびリア・クォーターウィンドウにエレクトロクロミック技術を備えているので、瞬時に半透明にすることが可能だ。
ドライバー前方には、最新テクノロジーを駆使したコントロール・システムがあり、高解像度ディスプレーとタッチスクリーンがダッシュボード全面に広がり、従来車にあるボタンやスイッチがほぼ全て取り除かれている。エンジンのスタート、アクティブ・ダイナミクス・パネルの起動、ヴェロシティ・モードの選択、ならびにドアの開閉は、頭上のパネルを通じて行われる。
究極のカスタマイズ要望にも応えられるビスポークシステム
ノーズとテールの両方にラゲッジ・スペースがあり、ビスポークのラゲッジ・ケースが用意され、ケース表面のカーボン・ファイバー、レザーおよび金属は、カスタマイズが可能だ。ビスポークはそれだけじゃない。ボディ色、部分的な塗り分け、加工の仕方、ステッチの入れ方などは当然として、炭素繊維の織物であるカーボンに金繊維を織り込むとか、驚きはリシャール・ミルとコラボレーションして、厚さ30ミクロンの極薄カーボン層を成す技術を使い、水流のような綺麗なカーボン模様を成すなど、どの様な要望にも応えられる環境が造られている。
妥協なき究極モデルを次々生み出す「トラック25」戦略
いまマクラーレンは、2025年に向けて派生モデルを含めて18モデルを出す「トラック25」戦略を掲げており、このスピードテールはその第1号。
ちなみにその戦略、具体的はアルティメットシリーズに例えると、ベースにP1があり、サーキット性能を研ぎ澄ませたSENAがあり、そして長距離移動を最速&快適に行えるハイパーGTとしてセンターシートレイアウトで前後にトランクスペースがあり、誰よりも速いスピードテールがあるというように、現570Sが属するスポーツシリーズ、720Sが属するスーパーシリーズにも同様の3つのキャラクターモデル構成を施したうえに、今年末にはスポーツにも、スーパーにも、アルティメットシリーズにも属さない特別なGTモデルが登場することも示唆していた。
マクラーレン・スピードテールが類を見ないクルマである理由は、他車の追随を許さない、ドラマチックな外観や、極限スピード、優れたエアロダイナミクスを備えているからだけではない。テクニカルなラグジュアリーさや、ビスポーク・カスタマイゼーションの基準をかつてないレベルにまで引き上げたからだ。妥協なき究極のマクラーレンを骨の髄まで堪能しよう。
スピードテール動画
https://www.youtube.com/watch?v=bFww9pqlZs0&feature=youtu.be
マクラーレン
https://jp.cars.mclaren.com/