アートの島に露天風呂付きの 「直島旅館ろ霞」が開業

現代アートの聖地として国内外問わず知られる直島に島内初の本格的な日本旅館が開業しました。これまで直島の宿泊施設はこぢんまりとした民宿かベネッセアートサイト直島内のベネッセハウスのみだったので、そこに新たな選択肢である本格日本旅館が加わったことで、日本人はもとより外国の方にも和を感じられる宿泊先ができ、直島への旅がさらに魅力的になりました。

アートを介してコミュニケーションが生まれる旅館

「直島旅館ろ霞」は家プロジェクトやANDO MUSEUMがある直島東部の本村エリアから徒歩5分程度の場所に位置しています。客室露天風呂を備えたスイートルーム8室、プレミアムスイート2室、ろ霞スイート1室の計11室のスモールラグジュアリーな旅館で、客室露天風呂には岡山・湯郷温泉の濃縮還元した温泉水を用意し、環境に配慮したアメニティを取り揃えたくつろぎの宿となっています。

「直島旅館ろ霞」の特筆すべき点は、11のすべての客室とレストラン棟に、国内の若手現代アーティストを中心とした描き下ろし作品が展示販売されることです。なかなか発表の機会を得ることが難しい若手アーティストにとって、アートの島である直島で作品を展示することは、新たな才能を多くの人に発信できる意義ある試みといえますし、宿泊者にとっても、新たなアーティストと出会える良いきっかけになります。さらにギャラリーや美術館で作品を鑑賞する時間は長くとれないものですが、客室に展示されているのであれば、時間を気にせずじっくり鑑賞することができ、アーティストや作品をより深く理解することにもつながるでしょう。

現在全客室には、第一弾Featuredアーティストの品川亮氏による描き下ろし作品が展示されており、レストラン棟には名和晃平氏、品川亮氏、山本捷平氏、山田康平氏、横田大輔氏 などのコレクション作品が展示されています。またアーティスト自身が参加するコミュニケーションイベントの開催も予定しており、日本全国や世界中から訪れるアートファンに、アート作品やアーティストとの出会いと、アートファン同志の会話が生まれる場として、日本の現代アートにおける発信拠点となることを目指しています。


特徴的なのが建物の中心に誂えられた屋外の囲炉裏です。人は古来より 火の回りに集まり、火を眺めることで目に見えない神話の世界を描いてきました。世界中から訪れたアートを愛する人が、囲炉裏の周りに集い、自然と語り合うことで、アートを通じたコミュニケーションを活性化させたいという思いから設置されたとのこと。

旅館内には寿司会席コースを提供する・レストラン「EN」とカフェ・バーとして利用できる「moya」の2つの食事どころがあります。どちらも宿泊客以外の利用もできるとのことで、「EN」では寿司や牡蠣を中心に、瀬戸内の魚を使った会席料理と寿司を組み合わせた独自のコース料理を提供する他、アラカルトメニューも用意。ディナーは宿泊者優先の完全予約制なので、訪れる際はご注意を。

アートのプロと旅館のプロが手掛ける単なる宿泊施設を超えた新しい試み

ろ霞では世界に向けて若手現代アーティストを発信するために、ろ霞アートプロデューサーに京都芸術大学教授の後藤繁雄氏が就任し、アートキュレーションとアートプログラム開発の総責任者としてアートマネジメントを行っています。また旅館の館主は、岡山の湯郷温泉にある創業88年の旅館「季譜の里」4代目オーナーである佐々木慎太郎氏。といったように、アート業界のプロフェッショナルと旅館業界のプロフェッショナルによる、新しいコンセプトの宿泊施設なのです。

「ろ霞が、現代アートの聖地である直島に誕生するにあたり、私たちは、新しい発展性のあるアートプログラムを開始します。それはこの場所を、才能ある若手アーティストを輩出、支援するための拠点とすることです。今回、企画第一弾として、お客様が宿泊する11の部屋全てに、気鋭のペインター・品川亮が新古今和歌集から選んだ歌にもとづいた新作を展示・販売いたします。これは、ろ霞だけでの公開になります。今後、世界中から直島を訪問されるアートラヴァーと才能あるアーティストをマッチングさせる様々な企画を開発してまいります。ろ霞のアートプログラムにご注目下さい。」(ろ霞アートプロデューサー/後藤繁雄)

「今回、ろ霞にコレクションしていただく作品に加えて、全客室に展示販売する作品を制作させていただきました。制作にあたって、新古今和歌集から12首を選び、それらをもとに作品を描いています。 和歌をもとにすることで、歌の背景や季節感なども作品に取り込める気がしていて、作品の持つ意味や内容がより深いものになると感じています。詠まれた歌はどれも平安〜鎌倉期のものですが、僕もこれらの歌を詠んだ人々と同じ感覚なんだな、と感じながら楽しく制作することができました。ただ、それらを絵画として表現するのであれば、現代に生きる僕だからこそできる表現をしたい、とたくさんのことに挑戦しました。このような作品を、新たにできる旅館「ろ霞」で発表できるということはとても楽しみです。作品をきっかけにしたコミュニケーションが生まれることはとても素敵なことです。作り手にとって、それは本当に本当に嬉しいです。少しでもたくさんの方に宿泊、お食事、直島と共に作品を楽しんでいただけますように、と願っています。」(ペインター / 品川 亮)

『直島旅館ろ霞』
〒761-3110 香川県香川郡直島町1234
Tel. 087-899-2356
https://roka.voyage/
1泊1名・夕食付き(2名1室利用時)¥42,000〜

 

 

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