夏のバカンスで、いつもより混雑する空港。
荷物が少なければ、機内持ち込みにしたいところだが、身軽に搭乗するには、預けるほうがいい。
到着地のターンテーブルでピックアップしようとすると、プライオリティーで最初に出てくるラグジュアリーブランドのトランクは、数えるくらいしかない。
となると、ネームタグをきちんとチェックしなければならない。
そんなとき、遠目からでも自分のトラベルケースだと一目で認識できるのが、ビスポークできるグローブ・トロッターだ。
グローブ・トロッターは、1897年創業の英国の老舗トラベルケースブランド。
英国王室をはじめ、世界中の冒険家やセレブを魅了し続けている。
特徴的なのは、素材がヴァルカン・ファイバーという堅牢で軽量な素材が使われているということ。
創業当時と変わらない製法で、熟練した職人の手で、ひとつひとつ作られ、使い込むほどに、持ち味が出てくるのも魅力の一つ。
旅慣れた上級者のためのエレガントなトラベルケースとして認知されている。
定番カラーのほかに、毎年、限定モデルもいくつか登場し、自分なりの楽しみ方ができるのも人気だが、さらに、自分だけのオリジナルをオーダーすることもできる。
それが、「MY ONLY TROTTER」だ。
このビスポークサービス、なんと180億通り以上になるという。
このサービスが行われているのは、ロンドン本店と銀座旗艦店、伊勢丹新宿店メンズ館のみ。
国内でオーダーできるとは便利だ。
ボディのカラーはもちろん、コーナーレザーやベルト、ハンドルレザー、ライニングの布地やステッチの糸、錠前の金属に至るパーツの微細まで、自分の好みでオーダーできる。
ボディカラーだけで悩みそうだが、ケース全体を1色にする必要もない。
せっかくなら、ボディパーツごとに違うカラーで遊んでみるのもいい。
マットなカラーやシャイニーなタイプなど、定番モデルにはないカラーを選べる楽しみがある。
コーナーレザーで、雰囲気を変えることもできる。
ボディをそれぞれの面で違うカラーにしたなら、コーナーレザーもコーナーごとに変えてみるのも悪くない。
銀座の旗艦店では、いざオーダーとなると悩む人も多いという。
なんといっても180億通り以上。
わからないでもない。
傾向としては、男性はブラックやブラウン、グリーンなど、落ち着いた色を選ぶ傾向にあり、女性にはアイボリーやグレーなど、淡い色が人気だそうだ。
ライニングは、フタ面を開けた時に華やかなように柄生地にし、本体の荷物を入れるほうを無地にする張り分けが以前より人気らしい。
これから何年も一緒に旅を共にする相棒。
10年後の自分をイメージして長く使えるものをと、比較的シンプルにまとめる人が多いそう。
だが、せっかくならビスポークならではの醍醐味で、カラフルに、個性的に攻めてみるのはどうだろう。
シーズンの限定品でもなかなかお目にかかれないようなカラー遊びを思いきり楽しんでみる。
インパクトのあるカラーを選んでも、その佇まいからエレガントさが消えることがないのが、グローブ・トロッターの魅力でもある。
20インチのトロリーや30インチのスーツケースが人気だが、様々な大きさやスタイルがあるので、自分の旅や好みのスタイルに合わせたサイズを選ぶのがおすすめだ。
「ベストは、ご自身の好きな色を好きなように合わせていただき、自分ならではのケースをお作りいただくことだと思います。」
とのこと。
やはり、思い切って冒険したカラーを選んでみようと思わせてくれるコメントだ。
まあ、それが悩ましくもあるのだが。
ただ、個性的なカラーのほうが遠くからでも一目でMy Trotterだとわかる。
もうネームタグを確認する必要もないね。
出来上がるのは、仕様により多少異なるがオーダーしてから約5か月後。
世界でたったひとつのグローブ・トロッターで、どこへ出かけようか?
次の旅先をイメージしてオーダーするのもいいかもしれない。