東京都庭園美術館の本館(旧朝香宮邸)にて、写真家・映画監督として活躍を続ける蜷川実花氏の最新作を展示する「瞬く光の庭」展が開催されます。庭園美術館のアール・デコ様式の建築と、そこに展示される蜷川氏の色彩豊かな作品が織りなす幻想的なコラボレーションを堪能できる唯一無二の展覧会です。
©mika ninagawa, Courtesy of Tomio Koyama Gallery
まるで蝶になった気分で作品を巡って
写真界の芥川賞とも称される木村伊兵衛写真賞をはじめ、多くの受賞をしている蜷川実花氏は、映画『さくらん(2007)』、『ヘルタースケルター(2012)』などを監督し、写真だけではなく映像作品も多く手掛けています。その色彩豊かな独自のスタイルからは、いのちと輝きと儚さに対して向けられた視線を感じ取ることができます。
写真作品を中心に、多岐にわたる表現を手掛ける蜷川氏ですが、本展では、コロナ禍の国内各地で撮影された、最新の植物の写真と映像作品が展示されます。アール・デコ様式で装飾された東京都庭園美術館の建築と、蜷川氏の作品を重ねることで、様々な時間が交差する瞬間を体験することができる展覧会となっています。植物から植物へと、あたかも蝶のように回遊しながら、蜷川氏のまなざしを追体験できる貴重な機会となります。
©mika ninagawa, Courtesy of Tomio Koyama Gallery
重要文化財と芸術作品のコラボレーションを堪能する
本展に先立ち2018年より国内10か所を巡回した「蜷川実花展-虚構と現実の間に-」は、コロナ禍までを含む蜷川氏のキャリアを総覧するものでした。さらなる飛躍を期待される蜷川氏の最新作は、蜷川氏が今、強く惹かれているという光に満ち溢れた“光彩色”で彩られています。国内各地の植物園や庭園で撮影された作品では、夢と見紛うような現実の光景に、美や儚さ、尊さを感じ取ることができるでしょう。またダイナミックな映像インスタレーションでは、作品世界に包み込まれるような体験に誘われます。
本展は、見るものに希望を感じさせる作品と、重要文化財に指定されている庭園美術館本館(旧朝香宮邸)のアール・デコ様式の装飾とのコラボレーションも必見です。本展のために庭園美術館の庭園で撮り下ろされた特別な作品も展示されるので、花や植物をまなざす“蜷川の目”を追体験したあとに、庭園を散策するのもおすすめです。
©mika ninagawa, Courtesy of Tomio Koyama Gallery
蜷川実花 「瞬く光の庭」
会期:2022年6月25日(土)〜9月4日(日)
開館時間:10:00〜18:00 (入館は閉館の30分前まで)
休館日:毎週月曜日 ただし7月18日(月・祝)は開館、7月19日(火)は休館
会場:東京都庭園美術館 本館+新館
入館料: 一般=1,400(1,120)円/大学生(専修・各種専門学校含む)=1,120(890)円
中・高校生=700(560)円/65歳以上=700(560)円※(団体料金)
※オンラインによる事前予約制
https://www.mikaninagawa-flickeringlight.com/