フランス人アーティスト ジャン=ミシェル・オトニエルの個展「夢路 DREAM ROAD」が、9月16日(水)〜10月24日(土)の会期でペロタン東京にて開催

話題のアーティストの個展が、8年振りに来日公開!

Jean-Michel OTHONIEL Kiku – Hiwamoegiiro (Siskin sprout yellow),2020 Mirrored glass, stainless steel 39x47x49 ㎝, Unique©️Jean-Michel Othoniel / JASPER, Tokyo 2020 Photo: Claire Dorn / Courtesy of the artist and Perrotin

きらびやかなガラス・ビーズを素材とする作品で知られ、ルーヴル美術館、カルティエ現代美術財団、MOCAなど世界を代表する現代美術館でも展示を行うフランス人アーティスト ジャン=ミシェル・オトニエル。2012年に原美術館で開催された回顧展以来初となる日本での個展が、いよいよ開催!

2012年、原美術館で開催された個展において、フランスの高級子ども服ブランドBonpointとの共催で行った子ども向けワークショップ「ふしぎな現実(Le Reel Mervewileux)」は日本でも大いに話題となった。そのアーティストの名はジャン=ミシェル・オトニエル。彼の回顧展はパリのポンピドゥーセンターで開館以来の記録的動員数を記録するなど、まさに現代のフランスを代表するアーティストとして知られている。

Jean-Michel OTHONIEL Kiku – ōtaniro (Earthen yellow-red-brown), 2020, Mirrored glass, stainless steel, 49x49x47 ㎝, Unique©️Jean-Michel Othoniel / JASPER, Tokyo 2020 Photo: Claire Dorn / Courtesy of the artist and Perrotin

日本にもファンの多い彼の新作を披露する個展が、いよいよ9月16日(水)〜10月24日(土)の会期でペロタン東京にて開催。ここでは初公開となる新シリーズとしてのガラスの立体作品や、金箔を用いた絵画作品も展示されるとあって、開催前から注目が集まっている。

日本にインスピレーションを得た菊花の作品も

静観的なアプローチで自然の探求を続けるオトニエルは、今回、日本文化の象徴でもある菊をインスピレーション源として取り上げ、《Kiku》と名付けられた一連の作品群を生み出している。

『古今和歌集』や『後撰和歌集』にちなんで「夢路」と名付けた夢の世界を体現する空間を飾るのは、聖像としてのカリグラフィー絵画と、神聖な護符としての立体作品。そこに再現されるのは、菊の花が咲く閉ざされた禁断の園であるという。

Photograph of the Bunkyo Chrysanthemum Festival taken by Othoniel in 2018

自身の展覧会を「夢路」と名付けることで、オトニエルはそのロマンチックな世界観を覗かせるとともに、感情への鍵となるのは花のような素朴なものであることや、それが空想と創造への「夢の路」であることを指し示しているという。オトニエルにとって、現実とは象徴と驚異の絶え間ない源に他ならないのだ。

「菊の花は日本で最も重要で象徴的な花のひとつだといわれています。忍び寄る冬もよそに、秋に咲く花として知られ、長寿と若返りの象徴となりました。周囲がすでに眠りにつき始めているにもかかわらず、驚異的に闘い、あらゆる困難を物ともせず咲く花という考え方をとても気に入っています。一年の間で最も遅く咲く花のひとつです」と、彼は言う。

今回、オトニエルは1990年代後半から代表的な素材として用いているガラス・ビーズで結晶化された菊を制作。ガラスに封じ込められ保護された菊は、不老のまま永遠に咲き続け、まるで神聖化されているかのようだ。

立体作品《Kiku》の形状は有機的かつ曖昧で、植物と「結び目」の中間にあり、愛や、日本文化における「結び」の伝統美をも参考にしているという。本作はオトニエルの立体作品に一貫した魅惑的な視覚体験をもたらすとともに、鏡面の結び目の謎めいた形状は、その眩しく光り輝くガラスの色彩が観る者の目を奪うように、「罠」の宿命的な誘惑性を思い出させる。

Jean-Michel OTHONIEL Kiku – Hiwamoegiiro (Siskin sprout yellow), 2020 Mirrored glass, stainless steel 39x47x49 ㎝, Unique©️Jean-Michel Othoniel / JASPER,Tokyo 2020 Photo: Claire Dorn / Courtesy of the artist and Perrotin

「私は常に全感覚を刺激する作品を制作することを宣言してきました――例えば舐めたり触ったりしたい欲求や〈緊縛美〉を呼び起こす形状です。また、観る者の視覚と戯れる鏡面ガラスの魅力も、ひとつの罠として機能しています。なぜならば、見る者は目の前にある〈結び目〉の立体作品に自らの反射を観ることにより、自身の想像力を解放できるからです。この官能的な花々には目に見える以上のものがあり、ボードレールの『悪の華』のように、魅力的であると同時に危険でもあるのです。〈文化的な自然〉と呼ぶこともできるでしょう」とはオトニエルの言葉である。

Jean-Michel OTHONIEL Kiku Chrysanteme, painting on canvas, black ink on white gold leaf, 164x124x5 ㎝©️Jean-Michel Othoniel / JASPER, Tokyo 2020 Photo: Claire Dorn / Courtesy of the artist and Perrotin

さらに、大型のキャンバスを用いた絵画作品では、白金箔の層の上に黒インクで抽象的なイメージを描き、明暗の感覚で遊んでいる様子が見受けられる。オトニエルが描く巨大で幻覚のような花の影は、この世界を案ずる視点にも言及している。ギャラリーのメインスペースに展示された眩しく光り輝く園に相反する、これらの暗く抽象的なカリグラフィーは、観る者を純粋な抽象と熟考の世界へと誘う。絵画作品《Kiku》は、オトニエルが作家活動開始当初より実践の中核とし続けるドローイングへの愛情を示す作品となっている。

他にも、金箔に描かれた3点の絵画作品を展示する別室など、見どころ満載な本展。会期中にぜひ、足を運んでいただきたい。

【プロフィール】
JEAN-MICHEL OTHONIEL

Jean-Michel Othoniel in front of his installation “ La Rose du Louvre”, in the Louvre Museum, 2019©️Jean-Michel Othoniel / JASPER, Tokyo 2020 Photo: Claire Dorn / Courtesy of the artist and Perrotin

1964年、フランス・サン=テティエンヌ生まれ。1980年代後半より、ドローイング、彫刻作品、インスタレーション、写真、執筆、パフォーマンスに至るまで、領域を超えた世界の創造を続けている。当初は硫黄や蝋など、可逆性のある素材の探索に始まり、1993年からはガラスを用いるように。近年、オトニエルの作品は建築的な側面をも兼ね備え、世界中の公的・私的なコミッションを通して庭園や史跡の一部となっている。現在パリ在住。

【Info】
PERROTIN TOKYO(ペロタン トーキョー)
東京都港区六本木6-6-9 ピラミデビル1F
Tel. 03-6721-0687
会期:9月16日(水)〜10月24日(土)⇒ご好評につき11月7日(土)まで会期延長!
開館時間:火〜土 12:00〜18:00
予約制 https://www.perrotin.com/exhibitions/jean-michel_othoniel–dream-road/6935
休館日:日・月・祝日

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