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アートフェア「フリーズ・ソウル」で売れたもの

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9月6日から9日まで、韓国・ソウルで開催されたアジアで最大規模を誇るアートフェア「FRIEZE SEOUL」。Gagosian、Hauser & Wirth、Pace Galleryなどのメガギャラリーを始めKukjeやLeehnなど韓国を代表するギャラリーや日本のギャラリーも多数出展しました。1億円以上の値を付けた作品もあり、熱が冷めつつある世界のアート市場と逆行するかのように、アジアにおけるアートシーンの過熱ぶりを感じさせるフェアとなりました。

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©Frieze

ソウル市主催で開催されたSeoul Art Week

9月6日から9日までソウル江南地区にあるCOEXコンベンションセンターにて第2回となるフリーズ・ソウルが開催されました。昨年に続き2回目の開催となる今回のフェアには、世界30カ国から120を超えるギャラリーが参加。Gagosian、Hauser & Wirth、Pace Gallery、Blum & Poeなどの有名ギャラリーを始め、韓国のKukje Galleryや、タカ・イシイギャラリー、小山登美夫ギャラリー、Maho Kubota Galleryなどの日本のギャラリーも多数出展。

またフリーズソウルは昨年同様、韓国ギャラリー協会が運営するKiaf Seoulと同時開催されました。フリーズはよりインターナショナルに、Kiafは韓国の国内ギャラリー中心としたラインナップとなり両者の棲み分けも明確に。相乗効果を生み出す共同開催となっていました。

期間中はSeoul Art Weekと題して、ソウル市内の美術館やギャラリーや、プラダやボッテガ・ヴェネタなどのファッションブランドの様々なアートイベントが行われました。ソウルのアートシーンを盛り上げる仕掛けがたっぷり用意されたアートウィークとなりました。

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©Frieze

36カ国から7万人以上が来場し、ジャーナリストや著名なコレクターなど世界中から多くの参加者が集まりました。フリーズ・ソウルはフリーズにとって唯一のアジア開催のフェアで、アート・バーゼル 香港と同様に、東アジアのアート市場において重要なフェアの一つとなりました。というのも、アート市場の世界全体での売上は徐々に減少傾向にある中、フリーズ・ソウルでの売上は予想に反して大きいものでした。昨年からわずかに減少したものの、世界の情勢を考慮すれば大きく健闘した売上であり、アジアにおけるアート市場の今後の可能性を示す結果となりました。

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100万ドル以上の値を付けた作品も

9月6日はVIP向けのプレビューでしたが、開場するやいなやソールドの声が聞こえるなど、ソウルにおけるアート人気の高まりを直に感じられる幕開けとなりました。

Thaddaeus Ropacでは、Georg Baselitzの作品をアジアのコレクターに120万ドルで販売し、Thaddaeus Ropac氏は、「フリーズ・ソウルが昨年からどのようにギアを上げてきたかを見るのは非常にエキサイティングです。今年はさらに勢いをましており、多くのコレクターがアジア中からフェアに来ているのと同時に、韓国の参加者も増加しています。そして今年は非常にペースが速かった。フェアの開始からわずか数時間で、昨年よりも確実に多くの売り上げをあげました。これは本当に韓国のアートシーンが盛り上がっていることを表しています」と述べています。

その他高額で販売された作品として、Sprüth Magersの、Rosemarie Trockel〈The Blues (2002/2020)〉が130万ユーロでアジアのコレクターに販売したことが報告されています。

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メガギャラリーであるHauser & Wirthでは、Nicolas Partyの作品が120万ドルで販売され、Rashid Johnsonの絵画が97.5万ドルで、Paul McCarthy、George Condoの作品が、45万ドルから80万ドルで取引され、VIPプレビュー終了までに13以上の作品を販売しました。

Hauser & Wirthのアジアマネージングパートナー・Elaine Kwok氏は「昨年に引き続きソウルでフリーズが開催されここに戻ってくることができ、嬉しく思っています。昨年の成功を受けて、Seoul Art Weekと題してソウル市をあげて開催される今年のフェアはさらに成熟したものとなっていると感じています。Paul McCarthy、George Condo、Rita Ackermannなどによる重要な作品を東アジアの素晴らしいコレクターのプライベートコレクションに収めることができたことに感動しています。反響は信じられないほど大きく、Catherine GoodmanやHarmony Korineの作品が、新たな居場所を見つけたことに満足しています」と語った。

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左/George Condo〈Internal Combustion, 2023〉©️ George Condo
Courtesy the artist and Hauser & Wirth Photo: Thomas Barratt
右/Paul McCarthy 〈Mimi, 2006-2008〉© Paul McCarthy
Courtesy the artist and Hauser & Wirth Photo: Stefan Altenburger Photography Zürich

David Zwirnerでは、Mamma Andersson、Katherine BernhardtやRose Wylieの作品が25万ドルから55万ドルの価格で販売されたほか、草間彌生やDIC川村記念美術館で回顧展が開催中のJosef Albers、Joan Mitchellの作品も取引されました。またPace Galleryでは、Alexander Calderによる1965年の稀少な彫刻が販売されたという。

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Katherine Bernhardt〈Bacterium Run, 2023〉
© Katherine Bernhardt Courtesy the artist, David Zwirner, and Canada

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Rose Wylie〈News Reader, amelioration, 2022〉
© Rose Wylie Courtesy the artist and David Zwirner

欧米市場が縮小するなかアジアのアート市場の可能性

フリーズ・ソウルのディレクターPatrick Lee氏は次のように締めくくった。「今回はソウル市から多大なサポートを受けることができ、ソウル市をあげてのアートウィークは感動的でした。アメリカやヨーロッパだけでなく、中国、日本、東南アジア全体からのゲストを含む、より広い地域からの参加者を見ることができて大変嬉しく思います。これにより、主要な国際的なギャラリーと同様に新進気鋭のギャラリーや若い出展者も売り上げを達成し、成功を収めることができました。またKiaf SEOULと提携することにより、アートシーンに大きなインパクトを与えることができ、多くのセレブリティやアーティスト、文化人をお迎えすることができたことに満足しています。フリーズ・ソウル2024を楽しみにしています」。

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Alex Katz〈Saturday, 2002〉
Courtesy of the artist and Gray

今のところフリーズ・ソウル2024の開催日程は明かされていないが、10月11日〜15日には、フリーズの20周年を祝うフリーズ・ロンドンが開催され、2024年2月29日〜3月3日には、フリーズ・ロスアンゼルスの開催が予定されている。

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Lawrence Weiner〈LO & BEWARE PIGS AND PEARLS, 20023〉
Courtesy of the artist and Konrad Fischer Galerie

Frieze Seoul 2023
会期:2023年9月6日〜9日
会場:COEX

Frieze London 2023
会期:2023年10月11日〜15日
会場:The Regent’s Park

Frieze Los Angels
会期:2024 年2月29日〜3月3日
会場:Santa Monica Airport

https://www.frieze.com/

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