コーヒーの世界3大原種 フィリピン産「リベリカ種」の廃材から生まれたコーヒーシロップとは・・・
「LIFULL(ライフル)」が手がけるプロジェクト「地球料理 –Earth Cuisine-」の第4弾が発表された。世界的バリスタ井崎英典氏が監修を務めた、コーヒーの廃材を活用した「PROUD LIBERICA COFFEE SYRUP」とは一体どのようなものなのだろうか? その魅力と商品に込めた想いを紐解く。
「食」によって社会問題の解決を目指す。サステナブルプロジェクト「地球料理 –Earth Cuisine-」
地球上のまだ知られていない素材から、新たな食材を見つける「地球料理 –Earth Cuisine-」。2018年、「持続可能な社会を叶えるために、LIFEを見つめ直す一皿を」をコンセプトに、「LIFULL」がスタートさせた「食」を切り口とするプロジェクトだ。
これまでにも、間伐材を活用したパウンドケーキや、カカオから出る廃材を活用したカカオスイーツなど、社会課題の解決につながるユニークな商品を発表。実際に食べる生活者だけでなく、シェフや生産者、さらには地球環境を含めた、すべてのステークホルダーが幸せになれる「新しいおいしさ」をクリエイションしてきた。
貧困問題に苦しむコーヒー農家を救う! 透明なコーヒーシロップ「PROUD LIBERICA COFFEE SYRUP」
同プロジェクトの第4弾となるのが「フィリピンのコーヒー農家の貧困問題」を課題とし、コーヒー栽培における廃材にフォーカスした取り組み「PROUD LIBERICA COFFEE」である。
かつては有数のコーヒー豆輸出国として、世界にその名を知られていたフィリピン。しかし1889年のさび病蔓延をきっかけに生産量が大幅に落ち込み、その後も外資コーヒーチェーンの進出などの影響により衰退の一途をたどってきた。近年では、世界的にコーヒーの需要自体は拡大しているものの、コーヒー農家は生豆の販売だけでは生計が成り立たず、慢性的な貧困に悩まされているという。
「LIFULL」がこの課題を解決するべく世界的バリスタ 井崎英典氏と共に開発したのが、通常は廃棄されるコーヒーの花・葉・枝・カスカラ(コーヒー果実の皮と果肉部分)を活用したコーヒーシロップ「PROUD LIBERICA COFFEE SYRUP」だ。
廃材に「透明なコーヒーシロップ」としての利用価値が生まれることで、農家は年に複数回の新たな収入を得ることができる。また、コーヒーの木は1年中手入れされることで健康になり、豊かなコーヒー豆に育つという好循環がもたらされることになる。さらに、原材料や産地のみならず、原料となる廃材の買取価格や製造・開発・流通のコスト、マージン、農家の利益などバリューチェーンにおけるすべての数字を開示し、取引の透明性を高めることで、コーヒー農家が無理や我慢を強いられることなくコーヒー栽培やシロップ生産を行えるような体制づくりがされているのも特徴だ。
目にも鮮やかなシロップは、それぞれに用途や香り、味わいが異なる「Flower」「Leaf」「Wood」「Cascara」の全4種。シロップに使用されているのは、コーヒーの世界3大原種のひとつ「リベリカ種」の廃材だ。古くから「バラコ」の相性で親しまれ、フィリピン国民に愛されてきたリベリカ種のコーヒーノキを丸ごと味わえるシロップとなっている。
レシピ監修に携わった井崎英典氏は、「4種の個性あふれるシロップを楽しむのと同時に、コーヒー農家やリベリカ種に想いを馳せていただけたら嬉しいですね」と話す。
「QAHWA」代表取締役であり、バリスタの井崎英典氏
シロップの味わいや香りを生かしたユニークなドリンクが限定発売
「PROUD LIBERICA COFFEE SYRUP」を使ったドリンクを味わえるのは、同プロジェクトに賛同した「猿田彦珈琲」「小川珈琲」「VERVE COFFEE ROASTERS」「æ(アッシュ)」の4ブランド。10月以降、各店舗の取扱店にて順次発売されている。
「コーヒーリーフとドライフルーツのミルクブリュー」(HOT/ICE) ¥700/猿田彦珈琲
(左)CASCARA-ROSE、(奥)BLOOM、(前)杜のかおり、(右)碧の雫 各¥950 / 小川珈琲
(左)「スモークモカ」 ¥680、(前)「オリエンタル」 ¥680、(奥)「煎茶トニック」 ¥880、(右)「ESPカスカラコーク」 ¥880 / VERVE COFFEE
左から「Coffee flower Spritz」 ¥1,540、「Cascara Espresso Martini」 ¥1,650、「Coffee wood Old fashioned ¥1,760、「Coffee leaf Gimlet」 ¥1,540 / æ(SG Group)
単に美味しいだけでなく、飲むことで社会貢献にもつながるユニークなコラボドリンク。持続可能な環境づくりへの第一歩として、まずは店舗に足を運び、おいしさの奥にある背景にも想いを馳せてみてはいかがだろうか?