「Spirit(スピリット)」は、昨年6月に発表された、ルイ・ヴィトンのハイジュエリー コレクション。メゾンのウォッチ & ファインジュエリー部門アーティスティック・ディレクターであるフランチェスカ・アムフィテアトロフがデザインを担った、第4弾目の作品となります。ジュエリーと、それを身に纏う人の間には密接なつながりがあり「ジュエリーほど、その人のスピリットを宿す力を持つものは他にない」という信念を持つ、フランチェスカ。その彼女のエスプリは、当然ながら「Spirit」コレクションにおいても隅々まで反映されています。今回新たに誕生したのは、メゾンの価値を反映する「Liberty(リバティ)」、「Destiny(デスティニー)」「Fantasy(ファンタジー)」、「Radiance(ラディアンス)」の4つの世界観。そのすべてにおいてメゾン独自のデザインコードが巧みに取り入れられており、サヴォワールフェールが際立つクリエーションとなっています。
煌くルビーを讃える叙情詩「Destiny(デスティニー)」
力強くありながらも、どこまでも繊細でフェミニン。そんな相異なる印象を併せ持つ、10種類の繊細なデザインが揃った「Destiny(デスティニー)」。完璧なるレッドのルビーは、まるでひとつひとつが特別なパワーを発しているかのごとく輝きます。「Destiny」のユニバースは、ルイ・ヴィトンの幾何学的なエネルギーとシンボルである「V」が基となっています。
壮麗なネックレスから垂れ下がるのは、調達に3年が費やされたという、すべての色相と彩度、純度が完璧にマッチした36個のルビー。さらに、LV モノグラムスターカットダイヤモンドからは、焔のように鮮烈な3.13カラットのピジョンブラッドタイプルビーがこぼれ落ちるように輝きます。ネックレスには「V」モチーフが繰り返しデザインされており、大小の「V」モチーフにトライアングルシェイプが交わることで、3連となったネックレスが首元に沿って美しいカーブを描きます。どこまでもしなやかな動きなのは、外から見えないように施され、連結された無数のリンクによるもの。
「Destiny」における以前のクリエーションと同様、イエローゴールドとプラチナのバイカラーの組み合わせが、深みやボリューム、そして艶やかなコントラストを際立たせています。
他にも、メゾンのトランクの内装に見られる、ラグジュアリーなパディングを模した繊細なレースパターンを施したブレスレット、それとマッチする華やかな格子状にデザインされたリング、「V」モチーフを取り入れた、力強い直線的なドロップデザインのイヤリング、耳の後ろでドラマティックに揺れるフープデザインのイヤリングなどが揃います。
遊び心と匠の技が融合、昇華した「Liberty(リバティ)」
創業以来ルイ・ヴィトンでは、自由という観念こそが、メゾンを導き続ける光と捉えています。それは例えば、探求して発見する自由、旅に出て自身の視野を広げる自由、未知の領域にも恐れることなく足を踏み入れる自由――フィジカルでも、メタファーとしても、ルイ・ヴィトンの基盤としてあり続けます。「Liberty」は、独自のビジョンや明確なデザインの概念を構築すべく、カスタムカットやLV モノグラムフラワーカットのダイヤモンドを中心に、技巧を凝らした7種類のクリエーションによって表現されています。
メゾンのあらゆるシグネチャーコードがひとつとなって生まれたネックレスには、ダミエ・パターンと「V」シェイプが並び、アイコニックなトランクから着想を得たヒンジ(蝶番)のモチーフが連なります。そこに配されたのは、195個を超えるカスタムカットのダイヤモンド。異なるシェイプが組み合わされた、どこか鎧を想起させるこのネックレスは、制作に1,300時間が費やされました。多様な高さやフォルムを取り入れつつ、熟練の技によって深みのあるしなやかな連結構造を実現、究極にユニークなパターンが生まれたのです。さらにそのトップには、希少な4.84カラットのコロンビア産エメラルドと、2.02カラットのLV モノグラム フラワーカット ダイヤモンドが輝きます。
この優れたサヴォワールフェールは、ブローチにも変身する大胆なメダリオンネックレスにおいても余すことなく発揮されています。もちろん、カスタムカットを中心に構成された、イヤリングやリングにおいても。さらに驚くべきは、トランクスタイルのペンダントネックレスです。鍵を開けて広げることができるこの遊び心いっぱいの逸品は、中に潜む秘密を見つける自由な旅へと、身に着ける人を誘います。
「Fantasy(ファンタジー)」
「Fantasy」が体現するのは、ルイ・ヴィトンのイマジネーションであり、メゾン創業者の先駆的なエスプリとクリエイティビティ、そして生命の躍動感。シェブロン・パターンのネックレスには、その独自のビジョンが余すところなく表現されています。パヴェダイヤモンドが繊細に連なるイエローゴールドの「V」は、さらにそれらが調和してひとつの「V」モチーフとなるよう配列されており、どこまでもモダンでインパクト溢れるグラフィカルなデザイン。2つのカラーとテクスチャーが交わることでコントラストと深みが加わり、生き生きとした生命力溢れる表情を生み出します。
このテーマにおいて象徴となるのは、「V」とシェブロン・パターンを組みあわせた艶やかな2連のネックレス。熟練の手から繰り出されるサヴォワールフェールにより、着け心地は驚くほどしなやか。2つのLV モノグラムスターカットダイヤモンドがアクセントとなっており、3通りの方法で身に纏うことができます。
ネックレス以外では、15.31カラットのオーバルカットイエローサファイアを中心に、2個のLV モノグラムスターカットダイヤモンドを引き立てるように重ねられたダイヤモンドとイエローゴールドのカクテルリング、さまざまなサイズや高さのシェブロン・パターンを織り込んだ、重ねづけできる繊細なリングも揃いました。スタッドイヤリングは、イエローゴールドとホワイトゴールドの眩い連なりの中に、それぞれに1.55カラットを超えるLV モノグラムスターカットダイヤモンドがあしらわれています。
「Radiance(ラディアンス)」
フランチェスカ・アムフィテアトロフがルイ・ヴィトンにおいて自身初のハイジュエリー コレクションを手掛けることとなって以来、ずっと思い描いてきたクリエーションは、「プロテクション」。女性のアイデンティティや魂を守り、勇気を持って前進するための、ジュエリーによる“鎧”を表現することでした。
内側からエネルギーを放出するかの如くあしらわれたピラミッドやトライアングルのシェイプがモダニティを感じさせる、「Radiance」の新作ネックレス。ダイヤモンドパヴェを配した「V」シグネチャーの幾何学模様が、鏡面仕上げのイエローゴールドのフォルムをより際立たせています。力強く、それでいてセンシュアルで温かみのあるデザインに麗しい華を添えるのは、17.48カラットのスペサルティン・ガーネットの輝き。ネックレスを引き立てる、華やかな5連カフスタイル ブレスレットや、モダンなイヤーカフも揃っており、「Radiance」が密やかに抱える「プロテクション」というテーマを、更なる高みへと押し上げています。
Photographers
Worn images: Solve Sundsbo Still life images: Laziz Hamani
ルイ・ヴィトン 公式サイト louisvuitton.com