H.モーザーの2つのアイコンを融合させた革新的モデル発表

スイスの高級機械式時計「H.モーザー」から世界的大人気の「ストリームライナー」にまたしても魅力的な新作が登場

8月30日から9月3日に開催されたジュネーブ ウォッチ デイズ 2021で、H.モーザーが魅力的な新作を発表した。「ストリームライナー・パーペチュアルカレンダー」だ。
この新作モデルは名前のとおりに、「ストリームライナー」にパーペチュアルカレンダー=永久カレンダーを搭載したのを特徴とする。
パーペチュアルカレンダーは、H.モーザーにとってことさら特別な機構だ。
2006年にH.モーザーはブランド復活の最初となる4つのコレクションを発表。そのひとつがパーペチュアルカレンダーモデル「モーザー・パーペチュアル 1」で、搭載ムーブメント「Cal.HMC 341」は他ブランドのパーペチュアルカレンダーとは大きく違う特徴を備えていた。

▲エンデバー・パーペチュアルカレンダー
「Cal.HMC 341」は、超複雑機構のパーペチュアルカレンダーでありながら、シンプルなダイヤルデザインを実現した革新的ムーブメント。世界的な評価を受け、H.モーザーのアイコンとなった。

まず、12ヶ月を中央の短い針で表示。曜日表示はあえて省略。閏年の表示をムーブメントの裏側に設置、シースルーバックでの確認専用とした。結果、「モーザー・パーペチュアル 1」は、一見するとパーペチュアルカレンダーとはわからない、ごく普通の日付表示モデルのような見た目となった。そしてそれはシンプルなデザインを美徳とし、「複雑に見せない」というのを信条とする、H.モーザーの理想そのものでもあった。超複雑機構のパーペチュアルカレンダーでありながら、リュウズの操作で日付の逆戻しが可能というシンプルな使い勝手のよさも、まさしくH.モーザーの理想を体現したものだ。
はたして「モーザー・パーペチュアル 1」は2006年のジュネーブ・ウォッチ・メイキング・グランプリ=GPHGの複雑時計部門でグランプリ受賞。独特のパーペチュアルカレンダーは、H.モーザーのアイコンとなった。そうして「エンデバー・パーペチュアルカレンダー」「パイオニア・パーペチュアルカレンダー」へと引き継がれていったのだ。

H.モーザーの新たなアイコンとなった新コレクション


▲ストリームライナー・フライバック クロノグラフ オートマティック
ケースとブレスレットを一体化させたデザインが特徴。H.モーザーの新たなアイコンとなる新コレクションである。

一方、「ストリームライナー」は2020年に誕生した新コレクション。最大の特徴は、ステンレススティール製のケースとブレスレットを一体化させてデザインしたことだ。H.モーザーのCEOのエドゥアルド・メイラン氏が「快適でエレガントでほかにないブレスレットからデザインを始めた」と説明するように、ブレスレットの着け心地のよさは抜群。ブレスレットからケースへのダイナミックで流れるようなラインの美しさも格別だ。
「ストリームライナー」という名前は1920~30年代の高速列車にちなんだもの。当時の高速列車の流線型の曲線をモチーフにデザインしたという。なるほどケースとブレスレットを一体化させた「ストリームライナー」の流麗なフォルムは、レイモンド・ローウィの列車やクルマ、マイアミ・アールデコの建築を思わせる。ほかに似たもののない、素晴らしい個性が感じられるデザインだ。
最初のモデル「ストリームライナー・フライバック クロノグラフ オートマティック」が発表されたのは2020年1月で、世界限定100本は即座に完売。8月に第2作の「ストリームライナー・センターセコンド」が登場。11月にファンキーブルーダイヤルの「ストリームライナー・フライバック クロノグラフ オートマティック」が登場した。
「ストリームライナー・センターセコンド」とファンキーブルーダイヤルの「ストリームライナー・フライバック クロノグラフ オートマティック」は非限定だが、しかしそれでも入手は容易ではないという。H.モーザーは、そもそも生産本数が多くなく、どれもが稀少なのである。
かくして「ストリームライナー」の人気は高まるばかり。そうして「ストリームライナー」もまたH.モーザーを代表する新しいアイコンとなった。つまり「ストリームライナー」にパーペチュアルカレンダーを搭載した「ストリームライナー・パーペチュアルカレンダー」とは、すなわちH.モーザーの2つのアイコンを融合させた、最高の魅力を持ったモデルということなのだ。

▲ストリームライナー・フライバック クロノグラフ オートマティック
自動巻き、SSケース&ブレスレット、ケース径42.3mm、12気圧防水。世界限定100本。生産終了

▲ストリームライナー・センターセコンド
自動巻き、SSケース&ブレスレット、ケース径40mm、12気圧防水。253万円(税込)

▲ストリームライナー・フライバック クロノグラフ オートマティック
自動巻き、SSケース&ブレスレット、ケース径42.3mm、12気圧防水。550万円(税込)

ちなみに、2021年7月にはモナコ筋ジストロフィー協会主催の第4回チャリティーオークションに出品するためのユニークピース「ストリームライナー・シンドリカル トゥールビヨン オンリーウォッチ」を発表。そのためそれを加えると「ストリームライナー・パーペチュアルカレンダー」は厳密には第5作目(機構では4作目)となる。
▲ストリームライナー・シンドリカル トゥールビヨン オンリーウォッチ自動巻き、SSケース&ブレスレット、ケース径40mm、12気圧防水。ユニークピース。生産終了 オンリーウォッチオークション出品のための世界限定1本

より今日的でスポーティーな印象にされているのも注目点

▲ストリームライナー・パーペチュアルカレンダー手巻き、SSケース&ブレスレット、ケース径42.3mm、12気圧防水。687万5000円(税込)

「ストリームライナー・パーペチュアルカレンダー」のいちばんの特徴は、前記したように、H.モーザーのアイコンであるパーペチュアルカレンダー機構を搭載したこと。ただし、これまでとは少し違っている。
「モーザー・パーペチュアル 1」から「エンデバー・パーペチュアルカレンダー」「パイオニア・パーペチュアルカレンダー」へと引き継がれた「Cal.HMC 341/HMC800」は6時位置にスモールセコンドを備えた仕様だが、「ストリームライナー・パーペチュアルカレンダー」はセンターセコンド仕様に新設計した「Cal.HMC 812」。「ストリームライナー」に相応しい、より今日的でスポーティーな印象にしている。
センターセコンドに新設計された「Cal.HMC 812」を搭載。ムーブメントの随所がアンスラサイトグレーのPVDコーティングにされているのも見どころだ。

また、ムーブメントを約30度(資料によると26度)回転させ、リュウズ、日付表示、パワーリザーブ表示の位置を変えることで、「ストリームライナー」のダイナミックで躍動的なデザインにマッチさせているのもポイント。さらにムーブメントの随所をアンスラサイトグレーのPVDコーティングにしたのも現代的でアクティブな雰囲気になっている。
ダイヤルはグレーの「シグネチャーフュメ」。前回ご紹介した「メガ・クール」と同じく、12時位置の「H.Moser & Cie.」のロゴがクリアラッカーで描かれ、光の加減で見え隠れするのも見どころだ。
時・分針は、もちろん「ストリームライナー」のトレードマークでもある、グロボライト®を中央にインサートした針を使用。グロボライト®を時計の針に用いたのは「ストリームライナー」が初。グロボライト®はスーパールミノヴァ®を混合したセラミックベースの特殊な素材で、塗料ではなく素材のため側面など全面が光るのが長所だ。

そして最高にうれしいのは、「ストリームライナー・パーペチュアルカレンダー」が非限定のレギュラーモデルであること。とはいえ、いつもどおりに、簡単に買えそうにはない。発売予定は秋だそう。手に入れたい方は、こまめな情報確認が必須だ。

新作ストリームライナー・パーペチュアルカレンダー期間限定の特別展示

H.モーザー日本国内唯一の直営店「NX ONE 銀座」で、ストリームライナー・パーペチュアルカレンダーの特別展示を下記の日程で行なっている。気になっている方は、新作モデルを実際にご覧いただけるチャンスなので、3連休に店舗へ足を運んでみてはいかがだろうか。
(*アポイント制の為、下記店舗へお問い合わせください。)

期間:2021年9月18日(土)~20日(月・祝)
場所:NX ONE GINZA 東京都中央区銀座8-4-2
営業時間:12:00~19:00(火曜定休)
TEL.03-3573-7277
https://nxone.h-moser.jp/

■問い合わせ先:
エグゼス ☎03-6274-6120
http://h-moser.jp/

 

関連記事

  1. かつてない規模の大回顧展「展覧会 岡本太郎」開催

  2. 特別連載 リシャール・ミル 福岡

  3. H. Moser & Cie.(H. モーザー): 能登半島地震の支援活動を目的としたチャ…

  4. リシャール・ミルがフェラーリとの数年間にわたるパートナーシップを発表!

  5. よりラグジュアリーに進化したトゥールビヨン エアロダインの後継機

  6. ブルガリの「ビー・ゼロワン」コレクションのブレスレット。

  7. リシャール・ミル ブティック銀座が、並木通りに。

  8. 特別連載 リシャール・ミル 神戸

  9. リシャール・ミルが新しい“代表作”「RM 72-01 オートマティック フライバッククロノグラフ」を…

人気記事 PICK UP!

HOT TOPICS

おすすめ記事

  1. Maison Bonnet 至高のオートクチュール アイウェア
  2. maserati ヘリテージを未来に伝えるためのマセラティ・クラシケ公式認定プログラムが始動
  3. 世界で最もエレガントな自動車コンテスト
  4. 沖縄にヴィラタイプの宿泊施設「DAICHI OKINAWA villa M」開業…
  5. ベンテイガがよりベントレーらしく
  6. 2億5000万円のマクラーレン・スピードテール。
  7. フエギア 1833から、ディフューザーが!
  8. covakakuda 伊勢志摩国立公園内に誕生した体験型リトリート「COVA KAKUDA」
  9. ルイ・ヴィトンのトローリー第2弾は、ニット素材。
  10. armani ジョルジオ アルマーニが手掛けた メガヨットがついにベールを脱いだ
PAGE TOP