画期的な新システムが翼を広げたナダルモデルの新作

新作の最新情報

2021年最後の新作発表となったリシャール・ミル ファミリーのラファエル・ナダルの名を冠した「RM 035」コレクションの”RM 35-03 オートマティック ラファエル・ナダル”。この新作モデルをご紹介いただくのは、大人のためのクオリティ・ライフスタイル誌「LEON」で長らく時計・美容・旅などの編集を担当している遠藤加奈さんと、この連載でおなじみのリシャール・ミルのアフターサービス時計技術者、竹中茂喜さんです。


リシャール・ミルの中でももっとも注目度の高いコレクションの一つが、ラファエル・ナダルの名を冠したコレクションと言えるでしょう。ナダル選手の名を冠したコレクションには2種類あり、手巻きトゥールビヨン搭載の「RM 027コレクション」と自動巻きキャリバー搭載の「RM 035(※RM 35-01は手巻き)コレクション」です。ナダル選手が試合で着用する「RM 027コレクション」を、よりユーザーフレンドリーにしたのが「RM 035コレクション」で、日本時間2021年12月9日に発表された最新作の「RM 35-03 オートマティック ラファエル・ナダル」は通算9作目のナダルモデルになります。

さらに日常使いしやすく進化した

先述の通り、ナダルコレクションのなかでも、より日常使いしやすいコレクションが「RM 035」なのですが、最新作はさらに使いやすく進化を遂げています。リシャール・ミルでは、これまでも可変慣性モーメントローターやデクラッチャブルローターにより、ユーザーのライフスタイルに最適な巻き上げ効率の実現や、過度な巻き上げを防止するシステムを搭載したモデルがありましたが、ローターの慣性を変更するには、ライセンスを持った技術者による作業が必要で、いつでも簡単に変えられるというわけではありませんでした。そこで画期的なのが新作「RM 35-03 オートマティック ラファエル・ナダル」に搭載されたのが特許取得の新機構「バタフライローター」なのです。

革新的で実用的ながら、遊び心溢れる新システム搭載

このイノベーティブな新機構、バタフライローターとは一体どういった機構なのでしょうか。こちら、なんとローターの形が変わるのです。7時位置のプッシュボタンを押すことで、ローターの形状が半円形から二つの扇形に変形します。その形はまるで蝶が羽を広げたよう。最新機構でありながら、目にも美しく遊び心に溢れているのです。

リシャール・ミルはこの新しい巻き上げシステムの開発に3年費やしたそう。ムーブメントテクニカルディレクターのサルヴァドール・アルボナ氏は言います。「車に例えると 、街中からレーストラックまで、走る場所や状況に応じて車のドライブモードを切り替える様なものです」。 つまり、ローターが従来の半円形の状態では、重心が半円の外側にあるので高効率で巻き上げることができますが、一方、ローターがバタフライのように開いた状態では、重心が中心に移動しバランスが取れ位置が安定するので、巻き上げ効率が下がり、過度な巻き上げを防止することができます。
これにより、アクティブな時は蝶の羽を広げて低効率モードに、活動レベルが低い時は高効率モードにと、ユーザー自身で簡単に巻き上げ効率を変更できるのです。腕に乗せてプッシュボタンを操作すると、ローターが左右に分かれる瞬間を肌で感じ取ることができるので、まるでスポーツカーのギアを変えるように腕時計を操作する楽しみも与えてくれます。この機構は6時位置のインジケーターでオン/オフを表示します。

これまでストラップを自分で変更できるインターチェンジャブルストラップなどでユーザーのファッションに合わせた腕時計の提案をしてきたブランドはありましたが、それはあくまで見た目の話。リシャール・ミルのように、ユーザーのライフスタイルが顕著に現れる活動量に合わせて中身をカスタムできる機構を搭載した腕時計はなく、真のユーザビリティの高さを示すとともに、永く使い続けることができるため、機械式腕時計への敬意と愛情を示しているとも言えるでしょう。

カラーリングも楽しい2つのラインナップ

もちろん見た目にも楽しいのがリシャール・ミルの腕時計です。「RM 35-03 オートマティック ラファエル・ナダル」は2つのカラーリングがラインナップ。ブルークオーツTPT®製ベゼルにホワイトクオーツTPT®製ミドルケースのモデルは、リューズの赤色とホワイトストラップでシックなトリコロールのカラーリングに。ホワイトクオーツTPT®×カーボンTPT®製ベゼル+カーボンTPT®製ミドルケースを備えたモデルは、リューズとストラップのライトブルーが爽やかでポップな印象です。ベゼル部分のカットアウトはRM 27-04 トゥールビヨン ラファエル・ナダルのデザインを踏襲しています。
また、これまでのナダルコレクションにはなかったアラビア数字のインデックスが配されており、4つの数字がダイヤルに向かって傾斜しているので、スピード感のある立体的な印象を与えてくれます。

軽いクラッチが、フライバック化を可能にした

スイングピニオンには、もうひとつのメリットがある。クラッチ自体が軽くて小さいため、RM 72-01は無理なく”フライバック化”ができたのである。クロノグラフを止めることなくリセットできるフライバックは、パイロットやレーシングドライバーには欠かせない機能だ。しかし、リセットのたびにクラッチを切り離す必要があるため、クラッチが重いと壊れやすくなる。対してRM 72-01のコンパクトなダブルスイングピニオンは、小さく軽いため、無理なくフライバック化できたのである。スイングピニオンのメリットを生かして、フライバック化したクロノグラフは他にもある。しかし、すべてのクラッチをスイングピニオンに変えたものは、RM 72-01しかない。

お疲れのあなたはプッシュボタンを押してみて

忙しく毎日を過ごしていると、交感神経が優位になり常にオンの状態が続いてしまうと言います。一息ついて、リラックスする時間が必要なのはわかっているのですが、なかなか簡単に気持ちを切り替えるのは難しいものです。そんな時、「RM 35-03 オートマティック ラファエル・ナダル」のプッシュボタンを押すことで、腕時計だけでなく、まるで気持ちまでオンからオフに切り替えることができるかもしれません。常に高い精度を保ち、永く活躍し続けるために努力を惜しまないのは、腕時計作りもスポーツの世界も同じだと言えるでしょう。
ラファエル・ナダル選手は言います。「私たちはそれぞれの分野において、最高のものを求め日々努力しています。リシャールと私は、お互いに分かり合える仲間。二人とも仕事に情熱をもって取り組んでいます。この情熱の炎を絶やさず日々 精進することは、私にとって必要不可欠なことです。プレーでRM 035モデルの着用はしていませんが、 彼とチームの信頼を得てこの類まれなる冒険に参加させてもらえていると思うと、胸が熱くなります」。

文・遠藤加奈(えんどう・かな)
フリーエディター。大人のためのクオリティ・ライフスタイル誌「LEON」で、時計や美容、旅など幅広いジャンルを担当。リシャール・ミルの海外イベント「ル・マン クラシック」や「シャンティイ アート&エレガンス」、セントバーツで開催されているヨットレースなどを取材しており、リシャール・ミルの世界観から時計のラインナップまでを熟知するひとりです。

リシャール・ミル アフターサービス 時計技術者がみるココに注目!

待望のRM 035シリーズの新作RM 35-03 オートマティック ラファエル・ナダルが発表されました。新作に搭載された特許取得機能のバタフライローターとRM 035シリーズに初めて搭載したファンクションセレクターについて紹介したいと思います。

まずはバタフライローターです。ローターを分割したスポーツモードの状態では、ゼンマイを巻き上げるだけのトルクが発生しません。今回実機をじっくり観察してみると、時計自体を回転させてみても巻き上げ方向には回転せず、空転方向に微動するだけであることが分かりました。とても繊細な重量配分がなければバランスがとれていてもゼンマイを巻き上げることが可能なトルクが発生するでしょう。これまでは、ローターは時計にダメージを与えない程度で重ければ重いほど巻き上げ効率が上がると思っていました。スポーツモードを解除するときには、分割していたローターが少しずつ閉じて最終的に半円形になるのですが、ゆっくり閉じていくと半円形になる少し前の状態からゼンマイ巻き上げに対応できるトルクを発生するのです。

RM 005(キャリバー:RM005)から採用されている可変慣性モーメントローターで運動量に応じて巻き上げ効率を変更することも画期的なことでしたが、ムーブメントテクニカルディレクターのサルヴァドール・アルボナ氏の言葉にあるようにこの調整は時計技術者が行う必要があります。それをユーザーが操作できるような機構を開発した、サルヴァドール・アルボナ氏の自動巻き機構に関する熱意を感じます。
ファンクションセレクターはリシャール・ミルの多種多様なモデルに搭載されているので、いまさら特に伝える必要もないのかもしれません。ですが今回、特許取得機構のバタフライローターと同じくらい私が注目したポイントが‘“ファンクションセレクター”なのです。例えばRM 010 オートマティックのキャリバーRMAS7やRM 11-03 オートマティック フライバッククロノグラフのRMAC3など、さまざまな機能やデザインの変化があるものの15年以上用いた基礎となるムーブメントに新たにファンクションセレクターを搭載するなど思いもよりませんでした。
リリースにもクローズアップされている画像にもファンクションセレクターを搭載するにあたって、どのようなイノベーションがあったのか言及されていませんが、バタフライローターとともにファンクションセレクターを搭載するだけではない新たな開発が行われていると確信します。

文/竹中茂喜(たけなか・しげき)
時計修理技能士1級を持つリシャールミルジャパン テクニカルマイスター。年に数回スイス、レ・ブルルーにある工房でトレーニングを受けリシャール・ミルを熟知するひとり。

「RM 35-03 オートマティック ラファエル・ナダル」

自動巻き、時・分・秒表示、ファンクションインジケーター、ローターのスポーツモードオン/オフ表示、パーリザーブ約55時間、上:ホワイトクオーツTPT®ミドルケースにブルークオーツTPT®ベゼル、下:カーボンTPT®ミドルケースにホワイトクオーツTPT®×カーボンTPT®ベゼル、ケースサイズ:43.15×49.95×13.15mm、50m防水、特許取得済みバタフライローター、ラバーストラップ、¥27,500,000(税込)

問い合わせ先:リシャールミルジャパン
TEL.03-5511-1555
https://www.richardmille.com/ja

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