世界最強のトゥールビヨン、RM 53-01。

ピッティ、ミラノ・コレクションから、SIHH、ジュネーブ・サロンへ。
待望のリシャール・ミルの取材が終わった。
ポロ競技界のチャンピオンで、リシャール・ミル ファミリーのパブロ・マクドナウ、彼の限定モデル第2弾が発表された。

6年ぶりの第2弾、それがRM 53-01 トゥールビヨン パブロ・マクドナウだ。
優雅にみえるポロ競技は、実はかなりハードだ。
一流プレイヤーの彼も何度も大怪我をしている。
「脚や手の骨折の他、頭部の骨が砕けて、半年くらい穴が空いたままになった。60km/hから落馬!
失神してしまったこともあった」そうだ。
「マレットが、RM 053(第1弾モデル)に当たって、怪我を免れたこともあった」軽量にして、強靭なRM 053が、彼の選手生命を守ったのだ。
一方で、RM 053以上の強度を持ち、さらに軽量なモデルの開発を、リシャール・ミルは続けた。
第2弾RM 53-01は、メカニズムが見えるようになった!
ケーブル・サスペンションを搭載したトゥールビヨン。
業界初のラミネート加工されたサファイアクリスタルによって、彼とトゥールビヨンを守る。
RM 53-01は、メカニズムが見える究極のタフ・ウォッチとなった。
衝撃はトゥールビヨンにとって大敵だが、この問題に対してリシャール・ミルが出した答えはケーブルを使ってムーブメントを吊るすサスペンション構造だ。
この前例の無い構造を実現するには、2枚の地板を使う必要があった。
1つ目は「周辺」の地板で、ケースに固定し、張力装置を支える。
そして2つ目の「中央」地板は、歯車や手巻き機構を含めたムーブメントそのもので、ケーブルによって周辺の地板と繋がっている。
中央の地板は、巣で待ち構える蜘蛛のように支えられており、スチールを編んだ2本のケーブルの直径は、僅か0.27mmにしかない。
RZ1と呼ばれるこのケーブルは、立体的な構造を成しており、10個のプーリーを介して4個の張力装置に支えられている。
組立てを担当するウォッチメーカーは、それぞれの張力装置にあるスプラインスクリューを回し、ケーブルのテンションを調整。
また、ムーブメント全体に均等なテンションを持たせるために、プーリーシステムも採用している。
こうして吊るされたムーブメントは、剛性に優れたグレード5チタン製で、輪列のスムーズな動作と耐衝撃性に寄与しているという。

通常のクリスタルでは、ポロで使われるマレットの衝撃には耐えられない。
そこでリシャール・ミル技術陣は、サファイア・クリスタルのスペシャリストとして世界的に有名なステットラー社の協力を得て、自動車の分野で用いられるラミネート加工を採用した。
このクリスタルは、腕時計業界初となるもので、薄いポリビニールのフィルムを2枚のサファイア・クリスタルで挟むことによって、すさまじい衝撃にも耐え、仮にヒビが入っても、風防が砕け散ることがないという。
また、無反射のUVコーティングも施されている。
これは、視認性の向上のみならず、紫外線の影響から内部を保護することもできるという。
これはリシャール・ミルが特許を取得している。

くぼみを入れることで構造を強化したケース(上)は、カーボンTPTを加工したもの。
破壊不可能と言えるほどに優れた剛性に加え、微小なヒビや断裂に対する耐性を備えている。
ダマスカス鋼のような光沢と、シャープなラインが、スポーティな雰囲気を醸している。
下のモデルは、RM 029ジ ャパンブルー。
6.35mm、その厚みがおわかりになるだろう。

第1弾、RM 053 トゥールビヨン パブロ・マクドナウ
マレットが当たっても割れないよう、風防を守るためのようなモデルだった。

RM 53-01 トゥールビヨン パブロ・マクドナウ
手巻きトゥールビヨン、世界限定30本。価格は1億230万円(税抜)
http://www.richardmille.jp/watch/RM-53-01_TPT.html
*価格は2018年1月現在

リシャール・ミル
http://www.richardmille.jp/

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