フェラーリの限定モデル「デイトナ SP3」誕生

「 Iconaシリーズ」に限定モデル「デイトナ SP3」

1967年の2月に、フェラーリを語る上で忘れてはならない、伝説のレースがあったことをご存知だろうか?国際スポーツカー選手権 ル・マン24時間耐久レースにおいて、1位「330 P3/4」、2位「330 P4」、3位「412 P」と、フェラーリの3台がトップ3を独占したのである。横一列に並んでチェッカーフラッグを受けるシーンは、レース界でも有名なワンシーンである。買収の危機に瀕し、経営不振に落ち込んでいたフェラーリに、見事立て直すきっかけを作ったクルマたち。そんな1960年代を支えたスポーツカーをイメージして作られた最新車が発売となった。2018年にモンツァSP1、SP2 で始まった「 Iconaシリーズ」に加わる限定モデル「デイトナ SP3」だ。

インスパイアを受けた、歴史的クルマたち

1968年に発売された「365GTB/4」、通称「デイトナ」。この愛称がつけられることとなったきっかけが、まさに1967年のル・マン24時間耐久レースの1.2.3フィニッシュだった。よほどこの出来事が、衝撃的なビッグニュースだったのだろう。マーケティングがそう呼ぶようになったのだそうだ。今回のフェラーリの最新車種は、そんな「デイトナ」の名を継ぎし者。もちろん伝説の1.2.3フィニッシュがイメージされ、勝利に貢献したスポーツプロトタイプにオマージュを捧げることで誕生した。また、60年代はクローズドホイールレースの全盛期であったことから、この時代のクルマは、現代のエンジニアやデザイナーにもお手本にされることが多いのだそうだ。一方で 「Iconaシリーズ」とは、1950年台の競技用バルケッタにインスピレーションを受けたモデルのことだ。「デイトナ」と「 Iconaシリーズ」の血を引くクルマ。すなわち「60年代」と「50年代」の血を引くクルマ。「デイトナ SP3」は、一体どんなクルマに仕上がっているのだろうか。

受け継ぐ歴史と、塗り替える歴史

「デイトナ SP3」は、エクステリアからして独創的でモダンな印象を受ける。しかしながら、しっかりと歴史的モデルの血を引き継いでいるのだ。頂点が2つあるフロントフェンダーは、「512S」や「712Can-Am」、「312P」などといったモデルの彫刻的エレガンスが参考にされた。またフェンダーミラーの位置が、ドアの前方からフェンダーの頂点へと移行となっている。これはまさに1960年代をイメージさせるものだ。視界が良好になるだけでなく、気流の影響も受けづらくなるという。

これらの歴史に合わせる、現代的な圧倒的技術力。シャシーとボディシェルは、コンポジット製で作られた。F1から取り入れられた技術だということもあって、とにかく軽量で頑丈だ。シートがシャシーと一体になっていることもあり、さらに軽量化に成功しただけでなく、レーシングカーのようなドライビングポジションが体感できる。ステアリング・ホイールには、最新モデル「296GTB」にも導入されているヒューマン・マシン・インターフェースを採用。タッチコントロール式なので、ドライバーは手を動かすことなく、機能の約80%も操作できてしまうというから驚きだ。歴史と現代のミックス。このコントラストが「デイトナ SP3」の魅力だ。

0-100km/h加速わずか2.85秒という圧倒的走り

そして絶対に語らなければいけないのは、圧倒的な走りだろう。「812コンペティツィオーネ」に搭載されている、6.5LのV型12気筒自然吸気がベースとなっているのだが、吸排気のレイアウトと液体力学上の効率性を最適化したことによって、なんと!最高出力840ps、最大トルク697Nmまでパワーが向上した。その実力は、最高速度は340km/h、0-100km/h加速わずか2.85秒、0-200km/h加速は7.4秒という、圧倒的すぎるパフォーマンスなのである。レーシングカーに勝るとも劣らない。

フェラーリを牽引する歴史的モデルたちの、血を引き継ぎし者。そして、最新の技術がふんだんに詰め込まれし者。この歴史と現代のコントラストは、きっと「デイトナ SP3」にしかなしえなかった。世界にたった599台 。価格は200万ユーロ(約2億6000万円)。購入することができるのは、フェラーリ最上位のオーナーやコレクターといった、誇り高いアンバサダーだけだそうだ。長きにわたってスポーツカーを愛するものたちにとって、夢のようなクルマ。手にするのは一体、誰なのだろうか。

<Daytona SP3 >
タイプ:V12-65°
総排気量:6496㏄
最高出力:618kW(840cv)/9250rpm
最大トルク:697Nm/7250rpm
最高許容回転数:9500rpm
トランスミッション:7速F1デュアルクラッチ・ギアボックス
駆動方式:MR
燃料・タンク容量:プレミアム・86L
サイズ:全長4686mm×全幅2050mm×全高1142mm
ホイールベース:2651mm
乾燥重量:1485kg

フェラーリ
https://www.ferrari.com/ja-JP

 

 

関連記事

  1. 2億5000万円のマクラーレン・スピードテール。

  2. マクラーレン至極のハイパーGT「スピードテール」を日本初公開!

  3. マセラティ最強のSUV、レヴァンテ・トロフィオ。

  4. アストンマーチンの名機「DBR1」のビスポーク仕様モデルが登場

  5. マクラーレンとの驚異的なコラボレーションモデルが遂に発表!

  6. 第4世代のコンチネンタルGT、GTC、フライングスパーに、 最高峰のベントレー マリナーモデル登場

  7. 映画「007」のボンドカー世界25台限定で完全再現!

  8. スポーツカーの世界で最前線を走り続けるGT-Rの魅力。

  9. ついに今秋登場!究極のラグジュアリームーバー「LEXUS LM」

人気記事 PICK UP!

HOT TOPICS

おすすめ記事

  1. gastronomy award フーディーたちを唸らせた新潟のレストランとホテルは? 「新潟ガストロノミー アワ…
  2. 【FLEXFORM TOKYO】新作コレクション2023 展示・販売を開始
  3. 春のお出かけはルシアン ペラフィネ コラボのモードなE-BIKEで
  4. アルマン・ド・ブリニャック初のヴィンテージ キュヴェ「ブラン・ド・ノワール ヴィ…
  5. 特別な大人バレンタインをグランド ハイアット 福岡オリジナルの「ジュエル・クリュ…
  6. H. Moser & Cie.(H. モーザー): 能登半島地震の支援…
  7. ファントムとドーン 2台の特別なビスポークのロールス・ロイスが完成
  8. frieze アートフェア「フリーズ・ソウル」で売れたもの
  9. 世界で最もエレガントな自動車コンテスト
  10. 2億5000万円のマクラーレン・スピードテール。
PAGE TOP