Maison Bonnet 至高のオートクチュール アイウェア


スイス国境近くジュラ山脈に囲まれたフランシュ・コンテ地方。そこにはその土地の名のついたコンテチーズが有名だが、もう一つここを代表するものがある。メガネだ。一つの村にメガネのアトリエや工場がひしめき合っている。それを象徴するようにメガネ博物館もあるほどだ。山脈に囲まれた土地柄、冬は雪に覆われ農作物が取れない。そこで冬の間内職として始まったメガネだったがその品質の高さからフランスを代表するメガネの街となった。

フランスのメガネの聖地から受け継がれてきたこだわり


そのジュラ地方でオーダーメイドのアイウェアにこだわったアルフレッド・ボネが「メゾン ボネ」を誕生させたのが1930年代。
息子のロベールの代の1950年代にパリに移り今のスタイルを確立。ブランドの名声はさらに広がりイヴ・サン・ローランやフランソワ・ミッテラン、オードリー・ヘップバーンといった多くの著名人のアイウェアも手掛けてきた。卓越した技術でアイウェアのオートクチュールへと深めていったのだ。3代目となるクリスティアンは、その熟練の技巧とこだわりでメガネ作りの人間国宝にも指定されるほどになり、メゾン ボネは、名実ともに至高のアイウェブランドとなった。現在は4代目のフランクに受け継がれているが、その卓越した技巧と工程もすべて引き継がれている。

パリの中心地で至高のアイウェアをオーダー


それはパリの中心地にあるパレロワイヤルにほど近いパサージュ・デ ・ドゥ・パヴィリオン(passage des Deux Pavillons)。そこにメゾンン ボネのブティックとアトリエがある。ここで自分好みの顔、スタイルにフィットした自分だけのアイウェアをオーダーできる。
オーダーするのはそれほど難しいことではない。予約をとり、ブティックに行く。いくつものサンプルから気に入ったモデルを選ぶ。もちろん自分でイメージしたモデルがあればそれを作ってもらえる。鼈甲やバイオアセテートなど好みの素材、色を決める。そしていよいよ採寸に入る。

12項目にも及ぶこだわりの採寸


採寸する項目は12にも及ぶ。
こめかみの幅や目の幅、鼻の位置やサイズ、耳までの長さなどを測る。面白いのは下顎角も測ることだ。これは顔の中でのメガネのバランスを取るためだそう。例えばこめかみの幅や、頭の幅に対して顎の幅広い人にその頭の幅だけでメガネを作るとかけたときに余計に顎の幅が目立ってしまう。
そこでメガネをその顎の幅に合わせて顔全体に合うようにするのだ。顔の大きさ、眉の形や目との距離、そういった所からフレームの厚みなども微妙に変更して顔の物理的なサイズだけでなく全体のバランスがとれるように整えて行く。
それだけでなく、店内には姿見の鏡がある。その人の体型や、ファッションスタイルに合わせたサイズもフレームデザインに反映させるためだ。

熟練の職人による手作業で行われるフレーム作り


測定されたサイズに合わせメガネフレームをアトリエで作っていく。あらかたカットされた素材を指定されたサイズとデザインに削り込み、曲げて形にしていく。
おおまかにグラインダーで削ったあとは、少しずつ手で削っていく。形が整うとヒンジを取り付け、フレーム本体と耳にかかる3つのパーツが一つになっていく。微調整をしながら置いたときには水平に、そして閉じたときにピタッと収まるようにしていく。次にそれを磨き込んでいく。磨き込むことで見えてくる細かな凹凸もさらに削って表面を整えていく。最終的に全体を磨き上げて一段落だ。

フィッティングで人それぞれの微妙な曲線を調整


ここで再びお客に足を運んでもらいフィッティングを行う。
顔の微妙な曲面に合わせて、熱して曲げたり、時にはその場でさらに削り込んだりしてフィットさせていく。そこで問題がなければレンズを入れて最終チェックをして納品となる。
フランスではメガネのための視力検査は眼科に行って処方箋を書いてもらわなければいけない。それでは海外からの顧客に対応しずらいので、ブティックに眼科医を常駐させ、安心してオーダーできるようにしているのだ。

長い時間をかけ様々な要望に応えるべく作りあげられるオーダーメガネ


フレームの完成までは、素材やデザインで大きく変わるが2〜9ヶ月。アトリエでの実際の作業も6〜30時間を要するという。
このメガネのオーダーは、ファッションのアイウェアとしてもそうだが、疾患や障害を持った人に特に必要なのだ。
最小限の光しか入れられない人向けに全体のほとんどがフレームでレンズの縦幅が1cmにも満たない細さのものを作ったり、耳が片方しかない人などにも対応して特別な形状のものを作ったりしているのだ。
メガネを必要としている人にとってそれは常に身につけているものであり、人に会う時に最も目につくアイテムだ。熟練の職人による自分だけのメガネをメイドインフランスでオーダーしてみるのはいかがだろうか?
ちなみにロンドンにもブティックがある。そちらはまた別の機会に紹介したい。

https://www.maisonbonnet.com/
5 rue des Petits-Champs
Passage des Deux Pavillons
75001 Paris
T : +33 (0)1 42 96 46 35
paris@maisonbonnet.com

Le Corbusier 1950

Image 6 of 41

偉大な建築家コルビジェのモデル。全体のエッジがすべて削られ曲面にこだわったモデル。手作りならでは凝った作りが特徴だ。

関連記事

  1. 唯一無二の体験ができる「MUNI KYOTO」で、期間限定で最高のアフタヌーンティーを

  2. notahotel

    『NOT A HOTEL』が提案する別荘所有の新しいスタイル

  3. アンダーズ 東京でクリスマスはラグジュアリーグランピング。

  4. ジェイエムウエストンの定番に、遊び心のあるトリプルソール。

  5. ミシュランの焼き鳥「南青山 七鳥目」

  6. アンリ・ジャックから香川漆芸 と 家庭画報とコラボした特別なコラボレーションボックス誕生

  7. 日本に初上陸。イタリア発の至高のメタルファニチャーDe Castelli

  8. 日本一予約の取れない「紀尾井町 三谷」へ。

  9. ラリックの香水『クリスタルボトル コレクション2020 《オーキデ》』が発売。

人気記事 PICK UP!

HOT TOPICS

おすすめ記事

  1. 2020年究極の電動カー、Maclaren Senna「ライドオン」が登場
  2. 「ベンジャミン ステーキハウス 東京ガーデンテラス紀尾井町」
  3. 三ツ星シェフをを唸らせたAtsushi Hataeのスイーツ。
  4. Ferrari Omologata ワンオフモデル 世界に1台のフェラーリ、新しいワンオフ・モデル「Ferrari Omologat…
  5. 世界最高峰のヒストリックカー・レース「ル・マン クラシック」。同祭典を讃えるリシ…
  6. H. Moser & Cie.(H. モーザー): 能登半島地震の支援…
  7. アマン京都の一棟貸しパビリオンでプライベートディナーを
  8. astonmartin 優美なオープントップで極上のドライビング体験を――アストンマーティンの新型モデル…
  9. アルファロメオ、完全受注生産!ジュリアに、あのGTA、GTAmが復活!
  10. サバティーニの夏は“海鮮”がいい。
PAGE TOP