あの割烹が『銀座 kappou ukai 肉匠(にくしょう)』にリニューアルオープン

この3月、『うかい』グループの割烹『銀座 kappou ukai』が『銀座 kappou ukai 肉匠(にくしょう)』としてリニューアルオープンした。肉をメインに、山海の食材で彩られたコースが早くも話題を呼んでいる。

2017年、トランプ大統領と安倍首相の会食の場となった『銀座うかい亭』を擁する『うかい』グループは東京を中心に台湾も含め、17店のレストランを展開。和牛の鉄板料理が有名だが、豆腐料理や和食、フレンチなど、それぞれが明確なコンセプトを掲げ、独自の世界観をつくり上げている。そんななか、2022年3月、和食『銀座 kappou ukai』が『銀座 kappou ukai 肉匠』としてリニューアルオープン。旬の魚や野菜からなる一品を取り入れつつ、より和牛に重心を置く一軒として生まれ変わった。

場所は銀座のメインストリート、中央通りに面したビルの地下。薄暗くガラスの壁面に竹林が描かれたエントランスから足を踏み入れると一転、明るくなり、正面にはいまだ、清々しい香りを放つ、檜のカウンターが姿を表す。日本の伝統的な様式にモダンな要素を加えた現代数寄屋の空間で繰り広げられるのは“美食の劇場”。料理を手がけるのは、国内外のセレブ御用達の鉄板料理店『銀座うかい亭』料理長で『うかい』グループ統括マエストロの称号をもつ、半野雄大氏だ。ちなみに、鉄板料理のスペシャリストを指す“マエストロ”の称号は、台湾店を含め、8店舗ある『うかい亭』で100人を超える料理人のなかでわずか6名にしか許されていないという。

料理はランチ、ディナーともにコースのみ。それは食材のプレゼンテーションから始まる。自慢の和牛とともに、春なら筍や鯛、夏は鱧、秋は松茸、冬は蟹と、その時期の旬の食材が皿に盛られてやってくる。選び抜かれた肉、魚、野菜はどれもツヤツヤと美しい。客席から「おぉっ」と歓声が上がる瞬間だ。

炭火の上で時間をかけて火を入れることで、肉本来の旨みを引き出す。
メインはもちろん、黒毛和牛。1964年の創業以来、『うかい亭』で培ってきた牛肉への知見から、指定生産者とともに牛を育てる段階から協力し合い、日々、研究を重ねつつ、選び抜いた肉を炭火でじっくり焼き上げる。
「炭火の香りは強いので、それに負けないパワフルな肉を、ということで、兵庫・三田で36か月以上肥育された神戸牛や、30か月以上肥育された松阪牛を主に使用しています」(半野氏)
ゴロッとした塊状の肉を網の上で焼き、さらに隣に置かれた金庫のような扉付きの容器に入れて寝かせ、また出して網に乗せ、という工程を約40分の間何度も繰り返しながら火を入れていく。肉の脂が炭に落ちてジュッと鳴る音、漂ってくる香ばしい香り。さざめくゲストのおしゃべり。すべてが一体となった空間で、肉が焼ける様子を眺められるのはカウンター席ならでは。

「鮑・牡丹海老・天然鯛」
「日本近海からの御馳走」と称する八寸では、目にも鮮やかに日本の四季を演出する。春なら肝ソースを添えた煮鮑や爽やかなスダチのジュレを添えた牡丹海老、カラスミとともに味わう鯛などを盛り合わせる。また、コースのなかでは日本料理の華、椀物も登場し、懐石料理の要素も押さえている。

「黒毛和牛タルタル・キャビア・トリュフ」。
2大珍味に極上の和牛が出会うゴージャスな一品。とはいえ、そこは『うかい』。渾身の黒毛和牛メニューがいくつも待ち構えている。「黒毛和牛タルタル・キャビア・トリュフ」はふっくら炊き上げたもち米に、とろけるような牛肉のタルタル、そしてキャビアがたっぷり!

胡椒をピリッと効かせた「牛タン」。蕾菜と白髪ネギ添え。
厚切りのタン元をブイヨンで煮込んだ「牛タン」は、スーッと箸が入るやわらかさ。噛み締めるとジュワーッと肉汁がほとばしる。

「“肉匠”牛丼」。
牛肉をそのままで、ごはんと一緒に、黄身をまぶして。一品のなかにも多彩な楽しみ方がある。また、食事には「“肉匠”牛丼」も用意されている。すき焼き風に玉ねぎと一緒に煮た黒毛和牛に卵の黄身をオン! これだけを目当てに訪れるゲストもいるほどの人気メニューである。

ほんのり黒糖風味「焼きたてどら焼き」と抹茶。
デザートもまた、ゲストを虜にする一品、「焼きたてどら焼き」だ。食後、メインのカウンターから、すぐ隣にある小カウンターに座席を移動。熱伝導にすぐれる銅板の上で、ムラなく焼き上げられた生地で自家製の粒あんと濃厚なクリーム、京都丹波の黒まめを挟み、まさにできたての熱々が供される。表面はサクッ、中はしっとりした生地と、やさしく甘い香りがたまらない。最後は抹茶で一服。日本の食文化ダイジェスト版ともいえるコースひと通りは、海外からのゲストにも響くだろう。

小カウンター。写真では見えないが、銅板を備える。

2〜8名まで利用できる半個室。
デザートタイムに利用する小カウンターのほか、シーンによってさまざまな空間が用意されているのもこの店の魅力である。美食劇場を鑑賞するならメインカウンターがおすすめだが、接待やよりプライベートに食事を味わいたいのであれば、個室も。グループごとに仕切りを入れて利用できる半個室、最大6名まで利用できる完全個室(個室料11,000円/1部屋)もある。

料理に合わせたペアリング。
また、ドリンクはソムリエや利き酒師、SAKE DIPLOMA が、それぞれの料理に合わせたペアリングが楽しい。シャンパン+ワイン、日本酒を含めて。さらにお酒は強くないけれど、それなりに味わいたい方向けにお茶とワインを合わせたコースなど、ゲストの要望に合わせて数種のペアリングを用意している。もちろん、料理に負けない風味の玉露やほうじ茶などで構成するティーペアリングもある。というわけで、さまざまな用途で使えるのが、ここ『銀座 kappou ukai 肉匠(にくしょう)』なのだ。黒毛和牛を中心とする美食劇場、ぜひ、堪能してほしい。

銀座 kappou ukai 肉匠(にくしょう)
東京都中央区銀座8-9-15ジュエルボックス銀座B1F
TEL03-5568-1515
12:00〜13:00LO、17:30〜20:00LO
日・月曜休
料理はコースのみ。ランチ13,200円・33,000円、ディナー33,000円。
ランチタイムはティーペアリング4種3,850円、シャンパン+ワインペアリング6,600円。ディナータイムはティーペアリング5種6,600円、ハーフペアリング9,900円、フルペアリング16,500円など。

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