夜の長居植物園をアート空間にするチームラボの新たな試み

アート集団チームラボによる夜の常設展である「チームラボ ボタニカルガーデン 大阪」が大阪府大阪市の長居植物園にて7月29日(金)から開催されます。広さ約24万㎡、約1200種類の植物が生い茂り、季節とともに景色が移り変わる長居植物園を、チームラボが自然や人々の存在によりインタラクティブに変化するアート空間に変えます。

チームラボ《呼応する小宇宙 – 固形化された光の色, Sunrise and Sunset》2020, Interactive Digital Installation, Sound: Hideaki Takahashi © teamLab, courtesy Pace Gallery

自然と人が交わることで生まれるアート空間

1974年、大阪市東住吉区に開園した長居植物園は、根を張ることが難しい粘土質の土壌や成長により混み合ってしまった樹々、水質の悪化などの経年変化により、植物の生育にとって最適な環境ではなくなっていました。そこで昨年11月より休園し、生育環境を整えるために、樹木の間伐や植え替え、土壌改良などのさまざまな工事を行い、4月1日に再オープン。そんな新生・長居植物園の夜を、自然の成長や人の存在によって変化し、過去、現在、未来が交差するアート空間にチームラボが変えていきます。

チームラボ 《呼応する小宇宙 – 液化された光の色, Sunrise and Sunset》2020, Interactive Digital Installation, Sound: Hideaki Takahashi © teamLab, courtesy Pace Gallery

連続する時間を自然の力で知覚する

チームラボが行っている「Digitized Nature」とは、非物質的であるデジタルテクノロジーによって、自然を破壊することなく「自然そのものがアートになる」というプロジェクトです。

“人間は、自分の人生より長い時間を認知できないのではないか、つまり、長い時間の連続性に対する認知の限界があるのではないかという考えのもと、人と自然との営みが続くことによって造られた形が、長い時間を知覚できる形そのものであると捉え、長い時間の連続性に対する認知の境界を模索。そして、時間をもつ存在をそのまま使い、「長い時間の連続性」を表現することを試み、現代においてもまた、この場所に意味を積み重ねていきたいと思っています”(チームラボ)

例えば、長年雨風にさらされてきた岩を見た時、木の枝から滴り落ちるしずくによって削られた窪みや、エッジがとれ丸みを帯びたシェイプを通して、私たちは時の流れを認識することができます。本プロジェクトは、このような自然の営みと人が交わった時に生まれる変化を受け入れ、時間の連続性を身体的に捉えるというアート作品だと言えるでしょう。

「チームラボ ボタニカルガーデン 大阪」は、日中は植物園である空間が、夜になるとアート空間になるというもの。この作品空間は、風や雨、この場所を訪れる鳥や虫、人々の振る舞いの影響を受けながらインタラクティブに変化し、それらの軌跡を作品や自然の一部にし、連続する時間を形作ります。これにより、作品と人、自然、また自分と他者、現在・過去・未来が境界なく連続していることを実感できる空間となるのです。

チームラボ 《自立しつつも呼応する生命の森》2018, Interactive Installation, Endless, Sound: Hideaki Takahashi © teamLab, courtesy Pace Gallery

チームラボ《 具象と抽象》2021, Interactive Digital Nature, Sound: Hideaki Takahashi © teamLab, courtesy Pace Gallery

自然と人が創り出す一期一会のアート空間

園内には複数の作品群が展示されます。「呼応する小宇宙 – 液化された光の色, Sunrise and Sunset」は、発行する卵形体のovoidが森の中に点在し、押されたり、風に吹かれたりして倒れると、音色を響かせ光りながら自ら立ち上がります。すると周辺のovoidも次々に呼応し、同じ音色を響かせながら、連続していきます。そして周辺の木々も呼応し、同じ色に変化し音色を響かせるという作品です。
ほかにもコンピュータプログラムによってリアルタイムで描かれる「具象と抽象」や水面に浮かぶランプによる「浮遊する呼応するランプ – ワンストローク」など植物園の自然を生かした作品群が展示され、今後も公式サイトにて続々と公開される予定です。

チームラボ 《呼応する小宇宙 – 液化された光の色, Sunrise and Sunset》2020, Interactive Digital Installation, Sound: Hideaki Takahashi © teamLab, courtesy Pace Gallery

チームラボ 《憑依する炎》2021, Digital Work, Single channel, Continuous Loop © teamLab, courtesy Pace Gallery

チームラボ 《浮遊する呼応するランプ – ワンストロー ク》2019, Interactive Installation, Murano Glass, LED, Endless, Sound: Hideaki Takahashi © teamLab, courtesy Pace Gallery

「チームラボ ボタニカルガーデン 大阪」
2022年7月29日(金) 〜常設
場所:長居植物園 (大阪市東住吉区長居公園1-23)
時間:19:30〜22:00(21:00最終入場) 第2・4月曜休
※長居植物園通常開園終了後の開催
チケット発売は、7月5日(火)予定 、大人1600円、子供500円
https://www.teamlab.art/jp/e/botanicalgarden/

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