“3つの顔”をもつフレンチ『トワヴィサージュ』が銀座にオープン。

「ゲスト、スタッフ、生産者」のレストランにとっての3つの顔を大切に、夜のディナー、平日昼のテイクアウト、土曜昼のアフタヌーンティーをイメージしたデザート主体のランチコースの3つの異なるシーンを展開するフレンチレストラン『トワヴィサージュ』が4月に誕生した。

5月のメニューだった「函館産サーモンのモザイク ジュニパーベリーの香り」。
まるでブルーベリーのような風味のジュニパーベリーを添えるだけで、函館産サツキマスの魅力がヴィヴィッドに引き立つ。紅くるり大根おろしを添え、最後に国産ペッパー(フウトウカズラの実)やみかんを使ったブランデーを垂らして香りづけ。

千葉・苗目、埼玉・須永農園などから届いた花やハーブなど。
ハーブや草花の青々しい香りに混じって、花の蜜の甘い香りも。

フランス語で「3 つ(トワ)の顔(ヴィサージュ)」を意味するレストラン『トワヴィサージュ』の厨房を仕切るのは國長亮平シェフ。ミシュラン2ツ星フレンチ『ル・マンジュトゥー』で2番手を勤め上げ、パリの星つきレストランで修業の仕上げをして帰国した、気鋭の料理人である。そんな彼がつくるのは、五感で感じるおまかせのコース料理だ。ディナーは季節の花やハーブがぎっしり詰まったウェルカムボウルから始まる。國長シェフがフランス時代に見つけてからいつか自分が使える時がきたら使いたいと思っていたドグレーヌ パリの器を開けるとともに青々しくも爽やかな香りがフワッと鼻まで届く。
「東京・銀座という場所にありながら、季節や自然を感じていただきたくて。千葉や埼玉、北海道などの農家から届く、その日に摘んだばかりの草花をブーケのように詰め合わせました」(國長シェフ)
コースの内容を予感させるようなプレゼンテーション。中には単語帳のようなスタイルで書かれたメニューも入っている。1枚目、ひと口前菜のアミューズから、ひと皿ずつ順番にめくっていく。

「極エノキのソーセージ」は通年、提供される。

5月に体験したメニューでは、函館産サツキマスやサザエのフリットなど、新鮮な発想から生み出される前菜が2品続いたところで、國長シェフのスペシャリテが登場する。それはフォアグラやキャビアなどの高級食材と対極に位置するエノキダケを主役に据えた一品だ。
「この店ではこれまで脇役だった食材を主役にしたいと思っているんです」(國長シェフ)
エノキダケは特にこだわり抜いて作られた高知県産の「極みえのき」を使用。いったん冷凍して旨みをグンと増したものを豚肉と合わせてソーセージに。仕込みの段階で出た端材の野菜を煮詰めたブイヨンとうずら卵の目玉焼きをソースのように添えて食せば、インパクトのある味わいに変身する。あのエノキダケが赤ワインにも合う一品になるとは、いったい誰が想像しただろう。そこには従来の食に対する考え方に疑問と提案を投げかける、シェフの思いが込められている。

噛むほどに味わいのある「鶉のルーロー カルダモンチャツネ添え」。

ダージリンとリンゴの木のチップで香りづけしている。カルダモンのチャツネ、塩味を感じるソルトブッシュの葉と一緒に。
前菜数品の後、最初の肉料理がやってくる。アールグレイの紅茶の葉でマリネし、胡桃ペーストを巻いて焼き上げたウズラには、ツヤとコクのある赤ワインソースが添えられる。12品で構成されるコースはコンテンポラリーなセンスに溢れているが、メインのソースはクラシックな雰囲気をまとっている。それはシェフがこれまでの料理人人生で体に叩き込んできた味だ。仔牛でとったフォンドヴォーと赤ワインからなるソースはゲストに「フランス料理を食べた」という満足感を与えてくれるだろう。その後、日本酒の獺祭を使うという意欲的なソースを合わせた魚料理や第2の肉料理、料理の最後の一皿として、ゲストが来店してから炊き始めて香りが最も良くなるタイミングで供されるコンソメスープなどを経て、コースはデザートへと進んでいく。

新茶のシーズンに摘んだ静岡・井上園の抹茶を使った「抹茶のブリュレ」。
実際、スタッフたちが茶畑で茶摘みを体験。加工現場も見学して選んだ茶葉は香り高い。

デザートは皿盛りのアシェットデセール2品にコーヒーやお茶に合わせた小菓子が出る。実はこのデザートやプティフールを主役にしたコースが、土曜限定のアフタヌーンティーランチで展開される。季節の野花やハーブをたっぷり使いホエイで作ったムースにあわせていただくサラダとメイン料理が出た後、パティシエールによるデザート4品が続くのだ。1品目は季節のフルーツを使った口直しのような爽やかなデセールで、2品目は国産レモンを使った、焼きたてのスフレなど温かいデセール。3品目のグランデセールは季節の素材をふんだんに使ったもの。たとえば新茶の季節であれば、「抹茶のブリュレ」などが供される。カリカリのクランブル、濃茶をイメージしたソースなど、抹茶をテーマにさまざまなテクスチュアを表現することで、素材の多面的な魅力を引き出した1品は案外、コーヒーや紅茶、ハーブティーにもよく合う。

7種類のミニャルディーズ。

ランチコースの締めくくりは7種類のミニャルディーズ(小菓子)。カヌレやギモーヴ(マシュマロ)、パート・ド・フリュイ、そして、ういろうをバニラ風味に仕上げたものなど。小さななかに職人技が濃縮された、ひとつひとつを心ゆくまで味わってほしい。

「デニッシュサンドセット」1,080 円。
茨城県産かすみ鴨のデニッシュサンドといずれかのコーヒーのセット 。

「大納言入りコーンブレッド」1,296円。
フライパンやレンジで温めると、表面がサクサクしておいしい。

「3つの顔」という名を冠した、3つの食事シーンを展開するこちら。これまでディナー、ランチと2つのシーン顔を紹介してきたが、3つ目の顔であるテイクアウトで提供する商品も魅力的だ。ディナーやアフタヌーンティーランチのクオリティはそのままに、よりカジュアルなスタイルに仕上げた品々は今のところ、サンドイッチとコーンブレッドにコーヒーやカプチーノなど。ディナーーセージ鴨肉でソーセージをつくり、特製タルタルソースとともに、これまた自家製のデニッシュ生地と合わせた「茨城県産かすみ鴨のデニッシュサンド」はトマトや赤玉ねぎのマリネをトッピング。昼食としてはもちろんのこと、パーティーのフィンガーフードにも活用できるスグレモノだ。「大納言入りコーンブレッド」は卵や乳製品、小麦粉を使わず、豆乳や米粉でつくった一品。おやつや朝食に、また、手みやげとしてもおすすめである。
その名のごとく、ゲスト、スタッフ、生産者の「3つの顔」の関係性をつなぐ場として、ディナー、ランチ、テイクアウトの3つのシーンを展開する。また、ゲスト、スタッフ、生産者の関係性をつなぐ場という意味でも3つの顔をもつレストラン。それぞれのシーンを上手に使いこなしたい。

TROIS VISAGES(トワヴィサージュ)
東京都中央区銀座7-16-21雲ビル1F
TEL:03-3544-5205
火〜土曜は18:00〜20:00LO、土曜のみランチも営業(12:00〜13:00LO/15:00まで営業)、テイクアウトは月〜金曜11:00〜15:00
日曜・祝日休。
料理はコースのみ。料理の内容は季節や食材の入荷状況で変動。ディナー14,300円、ランチ5,500円。テイクアウトはデニッシュサンドサンドイッチ864円、ウェットカプチーノ432円など。
https://troisvisages.jp/

 

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