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アーティゾン美術館にて「ブランクーシ 本質を象る」展開催

コンスタンティン・ブランクーシ 《接吻》 1907-10 年、石橋財団アーティゾン美術館

ルーマニアの彫刻家であるコンスタンティン・ブランクーシの日本で初となる展覧会が3月30日(土)よりアーティゾン美術館にて開催されます。初期から後期まで約20点の彫刻作品が国内外より集結するとともに、絵画作品や写真作品なども展示し、創作者としての多面的な側面も感じられ、その唯一無二の創作の全容が明らかとなる貴重な展覧会となります。

20世紀彫刻の先駆者ブランクーシ

《コンスタンティン・ブランクーシ》1924 年 (撮影:キャサリン・ドライヤー)、石橋財団アーティゾン美術館

ルーマニア出身の彫刻家、コンスタンティン・ブランクーシは、純粋なフォルムの探求を通じて、ロダン以降の20世紀彫刻の領野を切り拓いた存在として知られています。
本展は、彫刻作品を中心に、フレスコ、テンペラといった絵画作品やドローイング、写真作品などが織りなすブランクーシの創作活動の全体を美術館で紹介する日本で始めての機会となります。パリのブランクーシ・エステートおよび国内外の美術館等より借用の彫刻作品約20点に、絵画作品、写真作品を加えた計約90点で構成されます。

鋭い感性からくる抽象的でミニマルなフォルムで後世に多大な影響を及ぼす

コンスタンティン・ブランクーシ《ポガニー嬢II》1925 年 (2006 年鋳造)、石橋財団アーティゾン美術館

コンスタンティン・ブランクーシは1876年にルーマニアのホビツァに生まれます。ブカレスト国立美術学校に学んだ後、ロダンのアトリエに助手として招き入れられるも、短期間で離れ、独自に創作に取り組み始めます。同時期に発見されたアフリカ彫刻などの非西欧圏の芸術に通じる、野性的な造形を特徴とするとともに、素材への鋭い感性に裏打ちされた洗練されたフォルムを追求。同時代および後続世代の芸術家に多大な影響を及ぼしたことで知られています。

日本で初めてとなる大規模な展覧会

コンスタンティン・ブランクーシ《アトリエの風景、”無限柱”、”ポガニー嬢 II”》1922-1925 年、東京都写真美術館

20世紀彫刻を代表する作家としてブランクーシの名は知られていながらも、その彫刻作品を主体とする大規模な展覧会はこれまで日本の美術館で開催されておらず、今回が初めての貴重な機会となります。本展では、アカデミックな写実性やロダンの影響をとどめた初期の作品から、対象のフォルムをそのエッセンスへと還元させていく1910年代、そして「鳥」に代表される主題の抽象化が進められる1920年代以降の作品まで、彫刻家ブランクーシの歩みを伺うことのできる充実した展観となっています。

創作者としての多面的な側面も提示

コンスタンティン・ブランクーシ《洗練された若い女性(ナンシー・キュナールの肖像)》1928-32 年(2013 年鋳造)、個人蔵

また本展では、彫刻作品だけでなく、ブランクーシによる絵画作品や写真作品も紹介します。一貫して彫刻を創作の核に据えながらも、異なる手法でそれを相対化していく横断的なアプローチは、近代的なものといえます。他方、彫刻作品にみられる、素材の材質への鋭敏な意識は職人的といえるもので、こうした創作者としての多面性にも光が当てられます。

コンスタンティン・ブランクーシ《鳥》1930 年、個人蔵

『ブランクーシ 本質を象(かたど)る』

会  場:アーティゾン美術館6階展示室
住  所:東京都中央区京橋1-7-2
会  期:2024年3月30日(土)〜7月7日(日)
開館時間:10:00〜18:00(5月3日を除く金曜日は20:00まで)
※入館は閉館の30分前まで
休 館 日:月曜日(4月29日、5月6日は開館)、4月30日、5月7日
入 館 料:ウェブ予約チケット1800円、窓口販売チケット2000円、学生無料(要ウェブ予約)
※日時指定予約制、予約枠に空きがあれば、窓口でも購入可能
※中学生以下はウェブ予約不要
※同時開催の展覧会もすべて鑑賞可能(石橋財団コレクション選 、石橋財団コレクション選 特集コーナー展示「清水多嘉示」)
T E L:050-5541-8600(ハローダイヤル )
W E B:https://www.artizon.museum/

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