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ペロタン東京でダニエル・アーシャム「31st Century Still Lifes (31世紀の静物)」開催中

六本木にあるペロタン東京では、現代アーティストを代表するダニエル・アーシャムの「31st Century Still Lifes (31世紀の静物)」展が開催されています。静物画をはじめとした3つの新シリーズが発表され、アーティストの新たな一面を見ることができる貴重な展覧会となっています。

Exhibition views of Daniel Arsham “31st Century Still Lifes” at Perrotin Tokyo.
Photo by Keizo Kioku. Courtesy of the artist and Perrotin.

過去・現在・未来を融合させる考古学的アーティスト

ダニエル・アーシャムは1980年にオハイオ州クリーブランドに生まれ、マイアミで育ち、ニューヨークを拠点に活動しています。生まれながらに色覚異常をもち、作品にはセレナイト、火山灰、ガラス、黒曜石、水晶などを多く用います。また、過去と現在、未来を融合させることで、ノスタルジアの可鍛性と力を示し、20世紀後半の特定の瞬間を切り取ってテーマにしたものが散見されます。また、アーシャム作品の大部分は「コラボレーション」と「変容する世界」が軸になっており、ファレル・ウィリアムズやポルシェ、ディオールなど、さまざまなアーティストやブランドとのコラボレーションにも積極的に取り組みます。さらに、教育と社会的公正のためのチャリティ活動に熱心に取り組んでおり、科学と芸術の進歩のための私立大学クーパー・ユニオン(以前は学費が無料)のために100万ドル以上を集め、全世界のマイノリティ・アーティストを支援するための基金を創立しています。

Courtesy the artist and Perrotin.

静物画などの新シリーズが加わり、魅力を増した

ペロタン東京では2回目となるアーシャムの個展ですが、今展では新しい作品シリーズが3つ発表されました。メインギャラリーにはインパスト技法を駆使した静物画と「アマルガメイテッド」シリーズの彫刻作品、隣のギャラリーには「フィクショナル アーキオロジー」シリーズの映画ポスターが展示されています。

Exhibition views of Daniel Arsham “31st Century Still Lifes” at Perrotin Tokyo. Photo by Keizo Kioku. Courtesy of the artist and Perrotin.

考古学的モチーフや自身の作品を複合的に再構築する

自らの関心や好奇心、新しいアイデアそして日常生活のなかにあるさまざまなオブジェクトを描く静物画は、遡ること15世紀より、ピーテル・クラースからポール・セザンヌに至るまで多くの画家に好まれてきました。今回発表された新作の静物画シリーズは、アーティスト本人による立体作品や図像を題材とし、インパストという厚塗り技法をふんだんに用いて、複雑な構図を描いています。例えば「Still Life with Eroded Bust of Diana the Huntress, Sneaker and Telephone」では、一部が崩れたローマの神像であるダイアナ・ザ・ハントレスの胸像が描かれます。これは、アーティスト自身が制作した胸像で、近年力を注いでいる地質学的素材を用いて古代のアイコニックなモチーフを再構築した作品です。胸像のほかには、ナイキのスニーカー・ダンクや、コードレス電話機など80年代〜90年代を象徴するモチーフが描かれ、それらのオブジェクトは触ったら崩れてしまいそうな絶妙なバランスで配置されます。アーシャムの絵画はどれも、現代的な関心と好奇心、願望を撚り合わせ、それぞれのモチーフと作家との個人的な関係性を超えた、多層的なストーリーを構築するのです。

Daniel Arsham
Still Life with Eroded Bust of Diana the Huntress, Sneaker and Telephone, 2022
Acrylic on canvas.
Courtesy the artist and Perrotin.

静物画シリーズの近くには、「アマルガメイテッド」シリーズ」から、ブロンズとステンレス を組み合わせた彫刻2点が展示されます。ひとつはギリシャ神話のヘルメス、もう一方はイタリアの貴族ジュリアーノ・デ・メディチをモチーフとした、古代からルネサンス期までのアイコニックな彫刻へのオマージュです。ブロンズと光沢のあるステンレススチールを組み合わせ、クラシカルなモチーフを現代的で新しい作品に作り変えた彫刻作品は、腐敗と再生のあいだを漂っているような印象を与えます。

Daniel Arsham
Amalgamized Bust of Julien Duke of Nemour, 2022
Stainless steel, patinated bronze.
Courtesy the artist and Perrotin.

「フィクショナル アーキオロジー(フィクションとしての考古学)」シリーズからは、水晶、透明石膏、ハイドロストーンを使って制作された「E.T.」、「バック・トゥ・ザ・フューチャー」、「2001年宇宙の旅」の3枚の映画のポスターが展示されます。「現在は、未来から見た過去である」というコンセプトのもと、現在、過去、未来をつなぐ遺物を創造し、化石のように結晶化させた「フィクショナル アーキオロジー」シリーズは、今現在身の回りにある建築物や車などあらゆるオブジェクトが、1万年後には化石と化した未来の世界を想像させます。

Daniel Arsham
Quartz Eroded Space Odyssey Movie Poster, 2022
Quartz, selenite, hydrostone.
Courtesy the artist and Perrotin.

現代アートを牽引するアーティストの一人であるダニエル・アーシャムの新シリーズは世界からも注目されています。今秋にはヨークシャー彫刻公園で個展が開 催され、ポンピドゥー・センター・メスでも作品が展示される予定です。

ダニエル・アーシャム「31st Century Still Lifes (31世紀の静物)」
場所:ペロタン東京(東京都港区六本木6-6-9 ピラミデビル11F)
日程:10月15日まで
時間:火曜-土曜の12:00〜18:00
※入場無料
https://leaflet.perrotin.com/view/287/31st-century-still-lifes

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