F8 TRIBUTOの特別仕様車「ALLEGGERITA CARBONIO 35.6」誕生
スポーツカー界の世界最高峰に君臨し続ける「Ferrari」。手にできる者が世界に一握りしかいないからこそ、ディーラーも一握りしかない。
Ferrariを扱うことができる正規ディーラーの数は、決して多くない。日本の中国四国エリアには、たった1店舗しかないのだ。そんな中国四国エリア唯一のFerrari正規ディーラー「M Auto Italia」は、今年で20周年を迎えた。その記念にと、特別仕様車を製作したのである。それがF8 TRIBUTO「ALLEGGERITA CARBONIO 35.6」だ。
Ferrarriのデザイン最高責任者が考えた独創的デザイン
この「M Auto Italia」20周年の節目を記念する特別なテーラードモデル、F8 TRIBUTO「ALLEGGERITA CARBONIO 35.6」は、世界にわずか「2台」しか誕生しない超限定の特別車。1台づつモデルが違い、それぞれ『Bianco Hiroshima』と『Grigio Hiroshima』と名付けられた。
特別車らしく、性能はもちろんのこと、その製作に詰め込まれた労力や思い、そして特別感は、並大抵のものではない。今回のモデルを製作するにあたって、プロジェクトのチームメンバーには、Ferrariのデザイン最高責任者であるフラビオ・マンゾーニ自らが参加。緻密な打ち合わせをもとに、独創的な発想でデザインを完成させた。
細部から広島を感じて
マンゾーニはデザインを考えるにあたって、まずM-Auto Italiaが本拠する広島の歴史や伝統、そして地域そのものに注目したのだという。その上で「瀬戸内海の青」「シトラスのイエロー」「毛利元就」 という3つの要素を、デザインのテーマとして掲げたのである。その結果として誕生した1台目の『Bianco Hiroshima』には、白を基調としたボディカラーに、瀬戸内海を彷彿とさせるようなブルーパールを散りばめた。
一方2台目の『Grigio Hiroshima』は、鍛造された鏃(やじり)から発想を得て、その荒々しさをマットグレーで表現した。そしてレモンの産地広島らしく、インテリアカラーには、両モデルともにシトラスイエローが採用された。毛利元就の伝説「3本の矢」のイメージは、特別なリバリーとしてサイドに施されている。
白を基調とした「Bianco Hiroshima」
マットグレーの「Grigio Hiroshima」
最後の純エンジンのV8ミドシップの限定車
そして、なんと言っても注目しなければいけないのが、今回のベースとなっているモデルが「F8 TRIBUTO」であるということだろう。FerrariのV8ミッドシップモデルに、tribute(賛辞)を込めて名付けられた「F8 TRIBUTO」。Ferrariの長い歴史の中で、最もピュアでありながら、最もスポーティだと言われている伝統のV8シリーズ。中でも「F8 TRIBUTO」は、ハイブリットモーターを積まない、最後の純エンジンV8ミッドシップではないかと言われているのである。そんな歴史の分岐点となりうるモデルの特別仕様車が、「ALLEGGERITA CARBONIO 35.6」なのだ。
サイドシルに「ALLEGGERITA CARBONIO 35.6」の刻印
「F8 TRIBUTO」の驚異的パフォーマンス
エンジンは488ピスタと同様の、3902ccV8ツインターボ。720ps/7000rpm、770Nm/3250rpmを発揮し、7速DCTを組み合わせることによって、0-100km/hは2.9秒、0-200km/h加速は7.8秒、最高速度は340km/hという、驚愕のパフォーマンスを発揮する。車両の軽量化も進んでおり、原型となっている前作488GTBに比べて、40kgも軽くなっているというから驚きだ。
Ferrariは新たな時代へ
ここ1、2年だけでも、世の中は大きく変わった。Ferrariもまた、大きく変化を遂げようとしているのだ。ハイブリッドモーターを積まないV8ミドシップの最終型、「F8 TRIBUTO」がベースとなった特別仕様車「ALLEGGERITA CARBONIO 35.6」。このクルマの登場が、新しい歴史の幕開けを知らせる号砲となるのだろう。限定ラストフェラーリは、誰の手元に行くのだろうか。
フェラーリ・ジャパン
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