アストンマーティン初のバイクAMB001の初回走行が完了
乗用車のブランドであるアストンマーティンがイギリスのバイクメーカーのブラフ・シューペリアと共同開発し、初の二輪車「AMB 001」を誕生させ、包括的なテストプログラムが、フランスのポーアルノス・サーキットで開始された。「AMB 001」は、サーキット専用に設計・開発されたモーターサイクルで、その生産台数はわずか100台に限定されている。最初の納車は、今年の年末に予定されている。今回、伝統的なアストンマーティン・カモフラージュ・モデルのカラーリングが施されたAMB 001の最初のテストが、ポーアルノスで完了した。
アストンマーティン・エグゼクティブ・バイス・プレジデント兼チーフ・クリエイティブ・オフィサーのマレク・ライヒマンは、次のように述べている。「私たちは現在、新型コロナウイルス感染症の影響による非常に困難な状況に直面していますが、AMB 001 の開発に携わった全スタッフの素晴らしい仕事により、大きな進歩を遂げることができました。この特別なモーターサイクルは、弊社の製品ラインアップと同様に、美しいデザインと最先端のテクノロジーを融合し、コレクターの方々が誇りに思える製品に仕上がっています。サーキット内外のテストでこのモーターサイクルをさらに進化させ、この極めて魅力的なマシンの生産が始まる瞬間を今から楽しみにしています。」
プロトタイプによるテストは、開発プロセスの最も重要な要素だ。このテストでは、開発チームが、シャシーの形状、エルゴノミクス、走行特性などを徹底的に検証。アストンマーティンのビークルダイナミクス・エンジニアが、テストによって車両のあらゆる特性を“読み取る”のと同様に、ブラフ・シューペリアのテストライダーも、モーターサイクルの全体的な挙動、コーナリング特性、ブレーキ、加速といった、パフォーマンスのすべての領域をフィードバック。
スーパーカーのような最高出力180hpのエンジン
ブラフ・シューペリア最高経営責任者(CEO)のティエリー・ヘンリエットは、開発プログラムが順調に進行していることに関して、次のようにコメントしている。「AMB 001のデザインにおける大きな特徴の1つは、カーボンファイバー製タンクの全長にわたって設置され、サドルの下を通って後方へと伸びているアルミニウムフィンです。フィンを保持しサドルをサポートするボディには、フランスのエンジニアリング企業であり、今回のプロジェクトに参加しているMecano IDの専門知識が活用されています。彼らは、航空宇宙産業で採用されている高度なカーボンファイバー技術を、AMB 001に適用しました。」
サーキットにおけるテストの焦点はシャシーに当てられているが、開発プロセスを合理化するために、エンジンのベンチテストも並行して行われている。AMB 001は、量産モーターサイクルとしては非常にユニークな、ターボチャージャー付きのエンジンを搭載している。その最高出力は180hpに達する。ターボチャージャーのパッケージにはインタークーラーも含まれている。大きなインテークマニホールドを備えたその印象的なラジエーターにより、このVツイン・ユニットは、スーパーカーのエンジンのような外観を特徴としている。
待望の生産はフランスで今秋から
テストプログラムの完了後、AMB 001は、今秋からフランスのトゥールーズにあるブラフ・シューペリアの工場で生産が開始される。希望小売価格は、10万8000ユーロ、つまり約1307万円(※20%の付加価値税を含む)。軽量構造により、乾燥重量180kgに抑えられた彫刻的なボディが魅力だ。アストンマーティン初のリッチで希少なバイク、ブラフ・シューペリアの二輪車は「オートバイのロールスロイス」と言われるだけにこのコラボへの期待は大きい。
アストンマーティン
https://www.astonmartin.com
-アストンマーティン——–
イギリスを代表する高級スポーツカーメーカー。高品質で、美しい車体を特徴とし、ル・マン24時間耐久レースや世界スポーツカー選手権(WSC)などでも多くの実績を残している。FIA 世界耐久選手権(WEC)やF1へも参戦中。映画「007シリーズ」では、ボンドカーとしてアストンマーティンのスポーツカーが歴代登場している。その他、ピュアスポーツとして根強い人気の「ヴァンテージ」や惜しまれながらも生産が終了したクーペタイプの「ヴァンキッシュ」などが有名。