1台1台ハンドクラフトで製造
世界から愛されるイギリスの超高級車ブランド・ベントレーは、数々の名車を生み出してきたが、その中でも屈指のスーパーチャージャー付きエンジンを搭載した「ブロワー」を90年の時を超え、12台限定で復刻させる。
このコンティニュエイション・カーは、ベントレー・マリナーのクラシック部門の専属チームが1台1台ハンドクラフトで製造しています。戦前のレーシングカーが忠実に再現されるのは、これが世界初となる。
そして、このテレワーク期間中に、専任エンジニア2人が、1200時間をかけて、正確かつ、完全なデジタルモデルを完成させた。
「ブロワー」は、1929年にサー・ティム・バーキン卿が製作し、オリジナルに製造されたのは、4台のみ。その全車がル・マン24時間を含む耐久レースに参加した本格的なレーシングカーだ。
復刻にあたりベントレーが所有する「チーム・ブロワー」を慎重に解体し、精密な3Dスキャンや複雑な手作業による計測を経た後、デジタルの世界で再現されました。今回のデジタルモデルは「ブロワー」を機械的に正確に複製したもので、630個のコンポーネントで構成された70個のアセンブリーに分かれており、総データ量は2GB以上に達します。
ここから先は、当時の技術を使い手作業で製造される。機能としては、基本的に1920年代に製造された車両と同じだが、安全性のために多少のアップデートが施される。プレス鋼製のフレームや、リーフスプリング式のサスペンション、400mmの機械式ドラムブレーキ、そして最高出力243psを発生するスーパーチャージャー付き4398cc直列4気筒16バルブ・エンジンは、オリジナルと同じように製造される。インテリアも当時と変わらぬデザインになる予定だが、カラーなど、オプションは、購入者が指定出来るそうだ。
この復刻版が誕生すれば、世界で最も価値のあるベントレーと言えるだろう。
12台のコンティニュエーションシリーズのベントレー4 1/2リットル”チーム・ブロワー”が完成するのは約2年後の予定。価格は受注開始時に決定する。世界屈指の名車は、誰の手に渡るのか。オーナーは、歴史に名を刻むことになる。