三代目は、コンチネンタルGTコンバーチブル。

ベントレーといえばラグジュアリーというイメージは
既に形成されているが、スポーツという認識は
さほどなされていないかもしれない。
が、今年100周年を迎えるブランドヒストリーには、
ル・マン24時間レースにおける6回の総合優勝を筆頭に、
サーキットでの数々の栄光が刻まれている。

 

そのスポーティネスを最も直接的に表現したモデルといえばコンチネンタルGTだ。
03年の初代発売から15年余の時を経て登場したその三代目モデルに、この春、コンバーチブルが加えられる。
ユニークなW型12気筒ツインターボユニット、そして四輪駆動のドライブトレーンというキーファクターはそのままながら、ネジ一本に至るまでの完膚なき刷新を受けた三代目のコアは、VWグループのポルシェが開発を主導したMSBモジュールにある。
アルミ材を効果的に用いることでホワイトボディは先代比20%と大胆な軽量化を達成。
一方で剛性は5%向上と相反する要素を両立したこの車台によって、コンチネンタルGTは走りの印象をがらりと違えるものになった。
加えて、電装アーキテクチャーのグループ内共有が容易になったこともあり、先進運転支援デバイスの展開やインフォテインメントの多様化にも対応は万全だ。
ちなみにサスペンションは前ダブルウイッシュボーン、後マルチリンクで、3室のサブチャンバーを備えたエアスプリングと電子制御可変ダンパーが組み合わせられる。

 

搭載されるW型12気筒エンジンは635ps&900Nmを発揮。ミッションは8速DCTの組み合わせとなる。
四輪駆動はフルタイム4WDで、3〜38%の範囲で前輪側に駆動を配分。
常に後輪寄りに駆動を掛けることで、自然な加速感や軽快な旋回感を意識して表現しているというわけだ。
スロットル開度やダンピングレート、変速スピードなどを任意で選択できるドライブモードはスポーツやコンフォートのほか、走行状態を感知して自動で最適化するBモードも用意される。
初代〜二代目のコンチネンタルGTCから、コンチネンタルGTコンバーチブルと正式名称を改めた三代目。
しかしそのトップは初代から変わらぬ五層構造の幌屋根を採用している。
表層部はツイードの風合いをアレンジしたものを新規で開発、それを含めて全7種類から選択が可能だ。
開閉はボタンひとつで全て完了し、その所要時間は約19秒。
50km/h以内であれば走行中の操作も可能など、使い勝手は先代よりも確実に進歩している。
サスペンションは前ダブルウイッシュボーン、後マルチリンクで、3室のサブチャンバーを備えたエアスプリングと電子制御可変ダンパーが組み合わせられる。

 

インテリアは運転席と助手席の間を分割するようにセンターコンソールが据えられていた先代と異なり、水平感が強く表現できるT字型に改められた。
これはセンターに12.3インチの巨大なスクリーンを収めたいがゆえのデザイン変更でもあっただろう。
このパネル部は回転体となっており、液晶面のほか、三眼式の物理針メーター面、デコレーショントリムと一体化するオーナメント面と、3つのフェイシアを使い分けることが可能。
その動作は精緻なだけでなく優雅さにも配慮されたものだ。

 

運転支援デバイスは全車速追従クルーズコントロールやアクティブレーンキープアシストをはじめ、情報視認性を高めるヘッドアップディスプレイや夜間の歩行者や動物の動きを遠くからも確認できるナイトビジョンシステムなど、考えられうるあらかたは網羅されている。
全面的に刷新を受けたユニークなレイアウトの12気筒エンジンは、先代に対ればよりしっとりと滑らかな回転フィールが印象的だ。
エンジンのサウンドもより緻密さが増しており、音の粒感も揃った綺麗なエキゾーストノートを聞かせてくれる。
最高速は333km/h、0〜100km/hは3.8秒と、このクルマが圧倒的な存在であることを示すに充分な数字は擁している。
が、いかにもマルチシリンダーらしいきめ細かな力感で、アクセル操作ひとつで滑るように速度を乗せていき……と、走らせての「らしさ」は平穏な日常の範疇でも充分に感じられるはずだ。

 

軽量化や重心設定の改善は動的質感の向上に著しく効いており、ともあれフットワークは軽快になった。
大柄な車体が驚くほどにきびきびと向きを変えるサマは初代〜二代目とは歴然と異なるところだ。
加えて駆動配分やロールの抑制も不自然さがなくなり、コーナリング時の安心感は大いに高まっている。
これまでになく山道の楽しいクルマに仕上がっているが、一方でタウンスピードでの乗り心地も一層洗練されているなど、その万能ぶりを実感するに場面は問わない。
オープンカーにして、クルマにまつわる魅力がもれなく詰め込まれた完璧な1台。
コンチネンタルGTコンバーチブルは自らが築いてきた究極という存在意義を再び更新したといえるだろう。

ベントレー モーターズ
https://www.bentleymotors.jp/

文・渡辺敏史

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